がん治療薬による乳がん細胞の老化とpH調整の解明~新規細胞老化のメカニズム解明に貢献~

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2023-11-27 京都大学

河口浩介 医学研究科助教、Wei Li 同博士課程学生らの研究グループは、乳がん細胞の老化と治療に関連する新たな研究結果を発表しました。

多くの抗がん薬はがん細胞を老化させる効果がありますが、老化した細胞の細胞内pHの調整機構はまだよくわかっていません。本研究では、乳がんの主要な治療薬である、ドキソルビシンとアベマシクリブという薬剤を使用して乳がん細胞を老化させました。その結果、ATP6AP2というメッセンジャーRNAの減少が、リソソームの機能不全と細胞内の異常なpHレベルを引き起こすことが確認されました。このことにより、老化がん細胞の免疫プロファイルの変化と関連している可能性が示唆されました。この発見は、抗がん治療への応答としての老化のメカニズムを理解するための新しい知見となります。これにより、乳がん治療の新たな方法やアプローチの開発に寄与する可能性が期待されます。

本研究成果は、2023年11月22日に、国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。

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研究の概要:乳がん治療薬による細胞老化により、乳がん細胞のpHが変化し、免疫応答に関連する(SASP: 老化細胞から放出される物質の集合体、pHi:細胞質pH、pHL:リソソームpH)

詳しい研究内容について

がん治療薬による乳がん細胞の老化とpH調整の解明—新規細胞老化のメカニズム解明に貢献—

研究者情報

研究者名:河口 浩介

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s42003-023-05433-6

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/286180

【書誌情報】
Wei Li, Kosuke Kawaguchi, Sunao Tanaka, Chenfeng He, Yurina Maeshima, Eiji Suzuki, Masakazu Toi (2023). Cellular senescence triggers intracellular acidification and lysosomal pH alkalinized via ATP6AP2 attenuation in breast cancer cells. Communications Biology, 6:1147.

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