ヒガラはシジュウカラの警戒声から天敵の姿をイメージできることを解明~鳥類における他言語理解~

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2020-05-15 京都大学

鈴木俊貴 白眉センター特定助教は、鳥類が他種の警戒の鳴き声から天敵の姿をイメージする能力をもつことを実験により明らかにしました。
多くの動物は天敵(捕食者など)に遭遇すると特別な鳴き声を発して警戒します。この鳴き声(警戒声)は、同種の仲間に危険を伝えるだけでなく、周囲に暮らす他種の動物にも警戒行動を促すことが知られています。本研究では、ヒガラが他種(シジュウカラ)の警戒声に反応する際、天敵の姿をイメージし、その意味を理解していることを実験によって明らかにしました。私たちは外国語を理解するとき、単語の指示する対象や概念をイメージしながら解釈します。動物たちも同様の能力を使って他種の音声(他言語)を理解していることが、今回初めて示されました。
本研究は、野生動物の高度なコミュニケーション能力を明らかにしただけでなく、私たちの言語能力の起源や進化に迫る上でも重要な成果です。
本研究成果は、2020年5月15日に、国際学術誌「Current Biology」のオンライン版に掲載されました。

図:ヒガラはシジュウカラのヘビ特異的な警戒声からヘビの姿をイメージし、探索に用いる

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.cub.2020.04.062
Toshitaka N.Suzuki (2020). Other Species’ Alarm Calls Evoke a Predator-Specific Search Image in Birds. Current Biology.

産経新聞(5月15日 22面)に掲載されました。

詳しい研究内容≫
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生物環境工学
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