2020-05-28 NITE
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資料の概要:
- 新型コロナウイルス感染症予防のため、屋内で長い時間を過ごすことが多くなりました。外出を控えて動かないことによる高齢者の身体機能などの低下が懸念されています。屋内での高齢者※1 の事故の多くが、転倒したり、転落したりして発生しています※2。NITE(ナイト)は、屋内で起こる高齢者の製品での転倒や転落事故による被害を防ぐため、製品の使用上の注意点や高齢者の特性に合った製品の選び方ついて注意喚起を行います。
2010 年度から2019 年度までの10 年間にNITE に通知のあった製品事故情報※3 では、高齢者が被害者となった屋内の事故は合計790 件※4 ありました。そのうち死亡事故は225 件(死亡者261 人)、重傷事故は223 件(重傷者237 人)発生しています。事故発生原因別でみると、製品に起因しない事故の割合が高くなっています。
その中で、転倒・転落事故は130 件発生しています※5。いすや踏み台※6 などでは、高齢者がバランスを崩して事故が発生していると考えられます。今回は、普段から何げなく使っている製品であっても、ちょっとした油断や慣れが思わぬ被害につながるおそれがあるため、事故事例や事故を防ぐポイントを説明します。
高齢者による転倒や転落事故を防ぐためには、使用者自身の身体機能を維持することが特に重要です。また、正しい使い方でも身体機能などの低下に伴い事故に遭うおそれがあるため、使用時に注意すべきポイントを再度見直す、体格や使用環境に合った製品を選ぶなどして、事故を未然に防ぎましょう。
■転倒・転落の事故事例- ・いすに座って寝ているうちに体が先端方向にずれて、いすから滑り落ちて負傷した。
- ・踏み台を階段の踊り場に完全に開ききらない状態で設置していたため、天板が山形になりその上での作業中にバランスを崩して転倒し、負傷した。
- ・立ち上がりスリッパを履こうとしたとき、床に敷いていたカーペットラグの上で滑ったためバランスを崩して転倒し、負傷した。
- ■転倒・転落の事故を防ぐポイント
- ○不安定な姿勢で、いすに座らない。また、体格に合ったいすを選ぶ。
- ○踏み台は止め具がかかり、しっかり止まっている状態を確認してから使用する。また、天板に乗るときは、体が天板の中央にくるように乗る。
- ○カーペットラグ(置き敷きタイプ)はテープで床に留め滑らないようにするなどして、周囲の環境を整える。
- ○座っている時間を減らし立ったり歩いたりして体を動かし、筋力やバランス能力の維持を心がける。
また、屋内での運動不足を解消するために運動器具の使用機会が増えると考えられることから、
併せて注意喚起を行います。
2010 年度から2019 年度までの10 年間にNITE に通知のあった製品事故情報では、高齢者が運動器具を使用中に発生した事故は合計21 件ありました。取扱説明書の記載内容を確認する、体力や健康状態を過信せずに無理な運動を控えるなどして、適切に使用し健康を維持しましょう。
また、新型コロナウイルス感染症予防のため、自宅内で手指がよく触れる場所(ドアノブ、手すり、電気などのスイッチ、リモコンなど)はこまめに掃除、消毒しましょう。 - ■運動器具の事故事例
- ・裸足でルームランナーを使用していたため、降りる際にベルト端のキャップ角部で足に裂傷を負った。
- ・骨粗しょう症の使用者が医師に相談せずにEMS 機器※7 を使用していたため、腰を骨折した。
- ■運動器具の事故を防ぐポイント
- ○取扱説明書の記載内容を確認する。
- ○体力や健康状態に合った製品か確認し、使用する。
- ○自分の体力や健康状態を過信せず、無理な運動を控える。また、運動中に異常を感じたらすぐに使用をやめる。
屋内で長期間過ごすことで起こり得る、その他の事故についても、併せて注意喚起を行います。
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- (※1) 本資料では、WHO(世界保健機関)が定義する高齢者(65歳以上)を対象として、集計、分析を行った。
- (※2) ※東京消防庁の救急搬送人数のデータにより:
東京消防庁東京都23区及び多摩地区(稲城市を除く)を管轄する消防機関、東京消防庁ホームページです。 - (※3) 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事
故やヒヤリハット情報(被害なし)を含める。 - (※4) 重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
- (※5) 火災事故を除くと、転倒事故が最も多く発生している。
- (※6) 天板に安全に乗ることができる脚立も含む。
- (※7) EMS機器とは、電気的に筋肉を刺激する運動器具のこと。
発表資料
映像資料
- ガスこんろ
- 7.着衣着火
- 脚立
- 4.天板の端に乗って作業中に落下