非アルコール性脂肪性肝疾患悪化に歯周病原細菌による腸内環境への悪影響が関係する

ad

2021-10-26 新潟大学

新潟大学大学院医歯学総合研究科歯周診断・再建学分野の山崎恭子研究員、同研究科口腔保健学分野の山崎和久教授(研究開始時、現所属:理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チーム客員研究員)と理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チームの大野博司チームリーダーらの共同研究グループは、歯周病が非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic Fatty Liver Disease; NAFLD)を悪化させるメカニズムとして、飲み込まれた歯周病原細菌による腸内環境の変化が関係することを明らかにしました。

本研究成果のポイント
  • 歯周病はNAFLDのリスク因子であることが知られていましたが、そのメカニズムは明らかになっていませんでした。
  • NAFLDモデルマウスに健康な状態、歯周病の状態を代表する口腔細菌をそれぞれ口腔から投与してそのメカニズムを解析しました。
  • 健康な口腔内を代表する細菌はNAFLD病変を悪化させることはありませんでしたが、歯周病と関係する細菌、特に代表的な歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisは腸内細菌機能、腸内細菌代謝物を変化させるとともに腸管のバリア機能を低下させて内毒素血症を誘発することで、肝臓の機能に悪影響を与えることを明らかにしました。
  • 口腔の健康維持は腸内環境を通じて全身の健康に深く関わっていることが明白となりました。

研究内容の詳細≫

論文情報

【掲載誌】Frontiers in Immunology
【論文タイトル】Oral Pathobiont-Induced Changes in Gut Microbiota Aggravate the Pathology of Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Mice
【著者】Kyoko Yamazaki, Tamotsu Kato, Yuuri Tsuboi, Eiji Miyauchi, Wataru Suda, Keisuke Sato, Mayuka Nakajima, Mai Yokoji-Takeuchi, Miki Yamada-Hara, Takahiro Tsuzuno, Aoi Matsugishi, Naoki Takahashi, Koichi Tabeta, Nobuaki Miura, Shujiro Okuda, Jun Kikuchi, Hiroshi Ohno, Kazuhisa Yamazaki
【doi】10.3389/fimmu.2021.766170

本件に関するお問い合わせ先

広報室

ad

医療・健康
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました