低年齢でのスイミングスクールへの参加はその後の喘鳴や鼻炎に対して予防や治療効果なし

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アレルギーの予防や治療を目的とした過度な推奨へは注意が必要

2020-06-15 国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センターのアレルギーセンター大矢幸弘、山本貴和子、苛原誠のグループは、同施設で2003年から一般の小児を対象として行ってきた出生コホート研究(成育コホート)において、3歳でスイミングスクールへ参加されている方が5歳時に喘鳴(ゼーゼー)や鼻炎が少なくなるのか、関連性を調査しました。その結果、3歳の時点で喘鳴あるいは鼻炎がない人では、スイミングスクールの参加と喘鳴や鼻炎に関連がない(予防効果がない)ことが分かりました。また、3歳の時点で喘鳴あるいは鼻炎がある人でも同様に関連がない(治療効果がない)ことが分かりました。

アレルギー疾患の予防や治療を目的に低年齢からベビースイミングとしてスイミングスクールに通われている方もいます。もちろん、水泳を始めとした運動には健康増進作用がありますが、アレルギー疾患の予防や治療を目的とした過度の推奨は控えるべきであると考えられます。

この論文は、Public Library of Science社が発行しているオープンアクセス誌PLOS ONEに掲載されました。

pr_20200615.jpgの画像

プレスリリースのポイント

  • 乳幼児期のスイミングスクールへの参加は、その後の喘鳴や鼻炎の予防効果や治療効果がないことが分かりました。
  • 水泳による健康増進作用を否定するものではありませんが、アレルギー疾患の予防や、鼻炎に対する予防や治療を目的とした過度な推奨は必要ないと考えられます。
  • 本研究の強みは、病院を受診したアレルギー疾患のある子どもを調査した研究ではなく、当センターで出産した一般集団の子どもを前向き研究として追跡した縦断的な調査からの成果であることです。これによりエビデンスレベルが、後ろ向き研究としてカルテデータを集積した研究結果と比べて高くなります。

発表論文情報

著者:
苛原誠、山本貴和子、羊利敏、齋藤麻耶子、佐藤未織、犬塚祐介、豊國賢治、西村幸士、石川史、宮地裕美子、福家辰樹、成田雅美、大矢幸弘

所属:
国立成育医療研究センター アレルギーセンター

題名:
Impact of swimming school attendance in 3-year-old children with wheeze and rhinitis at age 5 years: a prospective birth cohort study in Tokyo.

掲載:
PLOS ONE 2020 June 9

詳しい資料は≫

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