メタボ健診・特定保健指導制度の課題を提言~エビデンスに基づく制度改善に期待~

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2020-10-09 京都大学

福間真悟 医学研究科特定准教授、津川友介 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授 、飯塚敏晃 東京大学教授らの研究グループは、特定健診(メタボ健診)に基づく特定保健指導(以下、保健指導)について、就労世代男性7.5万人の大規模な健診データを用いた効果検証を行いました。

その結果、メタボと判断され「保健指導の対象となること」によって0.4%(前年度からの改善割合)と軽度の肥満改善を認めました。保健指導の対象になった人の中で、実際に保健指導を受けた人の割合は16%にとどまりました。保健指導の対象者の内で「実際に保健指導を受けたこと」によって、2%の肥満改善を認めました。一方、血圧・血糖・脂質などの健康指標に関しては、「保健指導の対象となった」場合および「実際に保健指導を受けた」場合の両者において、改善を認めませんでした。

今回の研究では、保健指導制度は肥満の軽度改善にはつながったものの、血圧・血糖・脂質の改善は認められず、国民の健康状態を改善させるためには科学的な根拠(エビデンス)に基づき制度を見直し、必要に応じて改善し、より効果的なものにする必要があることを示唆しています。

本研究成果は、2020年10月6日に、国際学術誌「JAMA Internal Medicine」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

書誌情報

産経新聞(10月9日 22面)および日本経済新聞(10月6日 38面)に掲載されました。

詳しい研究内容≫

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