2020-11-02 京都大学
杉浦春香 農学研究科修士課程学生(研究当時)、橋本渉 同教授らの研究グループは、生きた
の増殖を抑制し、納豆菌は死んだ大豆を栄養源として増殖する仕組みの一端を明らかにしました。
納豆菌は枯草菌の一種で、枯れた草(枯死体)などの中に生存しています。本研究では、生きた大豆と死んだ大豆のそれぞれに納豆菌を接種して、納豆菌の増殖を調べました。その結果、生きた大豆では納豆菌の増殖が顕著に抑制されましたが、納豆菌は死んだ大豆で良好に生育し、納豆に変化させました。生きた大豆は納豆菌の増殖を抑制する抗菌物質を分泌することが示唆されます。一方、納豆菌は死んだ(蒸)大豆の細胞壁成分を感知し、それを栄養源として増殖することがわかりました。
本研究は、自然界での植物-微生物間の生存戦略の理解及び抗菌物質の開発に繫がると期待されます。
本研究成果は、2020年10月29日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。
図:納豆菌は生きた大豆では増殖抑制を受け、死んだ大豆上では積極的に増殖し納豆に変化させる