(ミニマム・コンセンサス・パッケージ:MCP)の公開
2021-01-20 日本再生医療学会,日本医療研究開発機構
日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療実用化基盤整備促進事業における委託研究課題「再生医療等臨床研究を支援する再生医療ナショナルコンソーシアムの実現」(研究代表者:日本再生医療学会岡田潔)の分担課題「再生医療臨床研究等に対する技術的支援:細胞加工物に係る品質・有効性・安全性評価基準の作成と関連技術支援」(分担担当者:日本再生医療学会佐藤陽治)で作成された「ヒト幹細胞等加工再生医療製品の品質及び安全性等評価に共通の基本となる技術要件・基準・留意事項」(以下、本文書)が、先ごろ日本再生医療学会誌上で公表されました(早川et al.,「再生医療」2020;19(4):409-448)。
医薬品医療機器等法(薬機法)下でのヒト細胞加工製品の研究開発や承認審査にあたっては、その品質及び安全性を的確かつ合理的に確保するために、各製品の種類、特性、臨床適用法などをふまえた製品のリスクに基づく適切な試験の実施やデータの評価がなされるべきであり、過剰な試験やデータが求められるべきではありません。しかし、現行の指針等で示されている網羅的事項の中から、個別製品の品質及び安全性等を確保するために必要かつ十分な項目の選択及びデータの評価を開発者自身で判断することは容易ではなく、開発の隘路となっています。
本文書は、想定される大多数のヒト細胞加工製品の品質・安全性等の評価に共通の基本となる技術要件や基準(ミニマム・コンセンサス・パッケージ:MCP)を提言するものです。関係者の皆さま方に現行の指針等と合わせてご参照いただき、より合理的・効率的・効果的な製品開発及び再生医療実用化を促進することを目的として作成されました。なお、本文書に示された考え方は、再生医療等安全性確保法下におけるヒト由来の特定細胞加工物の臨床研究においても参照されるべきものと考えられます。
「ヒト幹細胞等加工再生医療製品の品質及び安全性等評価に共通の基本となる技術要件・基準・留意事項」(ミニマム・コンセンサス・パッケージ:MCP)
※本文書は、AMED再生医療臨床研究促進基盤整備事業の令和2年度研究成果として作成されたものです。
本文書について
本文書は、平成26年度厚生労働科学研究「再生医療実用化加速のための幹細胞等由来製品評価に最低限必須・共通の技術要件・基準に関する研究」(代表:近畿大学早川堯夫)の成果を参考とし、ヒト幹細胞加工製品の品質及び安全性確保に関する5指針(平成24年9月7日付け薬食発第0907第2-6号厚生労働省医薬食品局通知)の草稿執筆メンバーを中心とした大学・研究機関の方々に協力研究者としてご貢献いただきながらまとめられたものです。
お問い合わせ先
一般社団法人日本再生医療学会
臨床研究支援ユニット
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
再生・細胞医療・遺伝子治療事業部
再生医療研究開発課