新型コロナウイルスワクチン効果の年齢差・個体差の実態とメカニズムの解析

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2021-04-30 京都大学iPS細胞研究所

1. 概要

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の濵﨑洋子教授は、「ヒト免疫担当細胞の加齢変化に関する研究―新型コロナウイルスワクチン効果の年齢差とメカニズムの解析―」の臨床研究を開始することになりました。

【研究体制】

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授 濵﨑 洋子

京都大学医学部付属病院 腫瘍内科 医学研究科腫瘍薬物治療学 教授 武藤 学(Ki-CONNECT CBRCセンター長)

京都大学医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT)教授 中島 貴子

京都大学医学部付属病院 検査部・感染制御部 医学研究科臨床病態検査学 教授 長尾 美紀

京都大学医学部付属病院 クリニカルバイオリソースセンター(CBRC)特任病院教授 田澤 裕光

2. 背景

現在、わが国における新型コロナウイルス感染による死亡者数累計は約8,200人(2021年3月24日時点;参考資料参照)にのぼり、大きな社会問題となっています。特に、死亡者数に占める割合は、70代が23.7%、80代が65%と高齢者に高く、その原因の究明と対策は急務です。未だ感染収束の目途は不透明であり、ワクチン接種による感染拡大の抑制が期待されていますが、一般的に、免疫力やワクチン効果は加齢に伴い低下することが知られています。本研究では、新型コロナウイルスワクチンの接種の効果が高齢者でどの程度持続し、高齢者の免疫細胞がワクチンにどのように応答するのか、一般成人と比較しながら検証します。
本研究は、新型コロナウイルスに対するワクチンの免疫応答性を調査する公衆衛生上の重要課題です。また得られる成果は、ハイリスクの高齢者に適したワクチンスケジュールの立案や、ワクチン効果の予測や効果の年齢差・個体差を解消するための新たな方法の開発に役立つ可能性があります。

参考文献:厚生労働省HP 新型コロナウイルス感染の国内発生動向(2021年3月24日)

3. 実施内容

(1)主な適格基準
【選択基準】

  1. 65歳以上の大きな既往症のない、新型コロナウイルスワクチン接種を予定されている方
  2. 京大病院に来院の上、計6回の経時的な採血にご協力いただける方

【除外基準】

  1. 白血球数、機能に影響する可能性があるため、免疫機能に影響を及ぼす薬剤(免疫調整薬やステロイドなど)を使用中の方

(2)目標症例数 100例

(3)採血場所 京都大学医学部附属病院次世代医療・iPS細胞治療研究センター(KiCONNECT)内

(4)負担軽減費 5,000円(交通費等込み)/採血 1回につき

(5)観察期間 1年程度の観察期間中に、以下のポイントで採血を予定しています。

  1. ワクチン接種前(接種3か月前まで)
    (40mL:実験者安全確保のための感染症検査用10mLを含みます。)
  2. 1回目と2回目接種の間(1回目接種7日後以降から2回目接種前日)(30mL)
  3. 2回目ワクチン接種から2週間後(±4日間)(30mL)※何らかの理由で2回目の接種が出来なかった場合は1回目接種から
    5週間後(±7日間)
  4. 1回目ワクチン接種から3か月後(±2週間)(30mL)
  5. 1回目ワクチン接種から6か月後(±2週間)(30mL)
  6. 1回目ワクチン接種から1年後(±4週間)(30mL)※但し、期間外に採取となっても極力逸脱とせず採血を行ないます。

(6)結果の返却について
ご希望される方には、抗体価等の解析結果を返却します。

4. 本試験への参加について

現時点で本HPでの募集は予定しておりませんが、募集を行う場合は後日情報をアップデートします。

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