新型コロナウイルス変異株を無力化する中和抗体を10日間で作成する技術を国内で初めて開発

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新たな変異ウイルスの拡大に備えた抗体医薬へ期待

2021-05-14 京都大学

橋口隆生 ウイルス・再生医科学研究所教授、保田朋波流 広島大学教授、下岡清美 同助教、坂口剛正 同教授、岡田賢 同教授、溝口洋子 同助教、横崎恭之 同教授、西道教尚 同助教らの研究グループは、庄原赤十字病院および県立広島病院と共同で、複数種類の新型コロナウイルス変異株に結合してウイルスを無力化する完全ヒト抗体を10日間で人工的に作り出す技術を新たに開発しました。

ウイルスに結合して無力化する抗体は中和抗体と呼ばれ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特効薬として期待されています。新型コロナウイルス感染者の血液からウイルスに結合する抗体遺伝子をとりだして人工的に抗体を作り出す同様の技術はこれまでにも報告されていますが、高い中和活性のある抗体を取得するには多数の血液検体から候補となる抗体を作成し選び出すために時間と労力を要しました。

本研究グループは目的とする抗体を保有する患者の特徴を明らかにし、作業工程を工夫することで、数名の患者から高性能な中和抗体を10日間で取得できるようになりました。またこれまで複数のウイルス変異株を無力化する中和抗体を作成する技術は確立されていませんでしたが、今回の技術を用いることで脅威となっている多重変異株にも結合する中和抗体を取得することに国内で初めて成功しました。

これらの抗体は新型コロナウイルス感染症の治療薬として開発が見込めるとともに、今後新たな変異ウイルスが出現した場合においても迅速に中和抗体医薬をつくりだせるようになり、感染者の死亡率低下や感染の封じ込めにつながることが期待されます。

本研究成果は、2021年5月14日に発表されました。


図:新型コロナウイルス中和抗体取得工程

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:橋口隆生

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