植物の表皮細胞に存在する機能未知の小さな葉緑体の存在意義を解明

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表皮葉緑体は免疫因子を搭載して細胞内を移動し病原菌の侵入阻止に関与する

2021-05-21 京都大学

高野義孝 農学研究科教授、入枝泰樹 信州大学助教の研究グループは、植物の表皮細胞に存在する機能未知の小さな葉緑体の存在意義を解明しました。

病害による世界の農業生産被害の70~80%は糸状菌(カビ・菌類)によって引き起こされています。これら植物病原糸状菌にとっては、植物の表皮細胞内に菌糸を侵入できるかどうかが感染の可否に大きく影響します。そのため、植物の表皮細胞はこれら病原糸状菌の侵入を防ぐ重要なバリアとして機能する最初の砦です。興味深いことに、植物の表皮には、光合成にあまり関与しない小さな葉緑体が存在することが知られていました。しかし、何のために存在しているのか、どのような機能を担っているのかは不明でした。

本研究グループは、植物の表皮に存在する機能未知の小さな葉緑体が、病原糸状菌の攻撃に対して細胞内をダイナミックに表層側へと移動し、防御応答に関与することを発見しました。さらに、表皮葉緑体には植物の防御応答に関わる複数の免疫因子が特異的に集積し、病原糸状菌の侵入に対する抵抗性の強化に貢献していることを突き止めました。本研究を基盤に、外敵に対するバリアとして機能する植物表皮の葉緑体機能を増強・制御する技術を開発し、植物の免疫力を高めることで病害被害の軽減や生産性の向上につながることが期待されます。

本研究成果は、2021年5月20日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

図:本研究の概要図

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研究者情報
研究者名:高野義孝

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