神経細胞死を抑制する新たな分子を発見 ~脳卒中やアルツハイマー病への応用に期待~

ad
ad

2021-06-30 京都大学

森和俊 理学研究科教授、堀修 金沢大学教授、Nguyen Thi Dinh 同博士課程学生、親泊政一 徳島大学教授らの研究グループは、脳の中でも海馬という場所で起こる神経細胞死を抑制する新たな分子を発見しました。

記憶の形成に重要な海馬は、脳卒中や早期のアルツハイマー病において障害を受けやすい場所としても知られています。その理由の一つとして考えられているのが興奮毒性です。これは、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸が神経細胞の周囲で過剰になり、神経細胞内に多量のカルシウムイオンが流入することで、最終的に神経細胞死が引き起こされる、というものです。

本研究グループは、海馬の興奮毒性の過程で起こる小胞体ストレスに注目して研究を行ってきました。そして、小胞体ストレスに対する防御系である小胞体ストレス応答の一員ではあるものの、その働きがほとんど不明であったATF6βという分子が神経細胞内でカルレティキュリンというカルシウム結合タンパク質を増加させ、細胞内のカルシウム濃度を調節することで、小胞体ストレス、興奮毒性から細胞を保護していることを発見しました。

これらの知見は、脳卒中やアルツハイマー病、さらには老化に伴い起こる記憶障害の予防・治療法の開発につながることが期待されます。

本研究成果は、2021年6月22日に、国際学術誌「Scientific Reprots」に掲載されました。


図:ATF6β-カルレティキュリン経路による神経細胞内カルシウム制御

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:森和俊

タイトルとURLをコピーしました