リンパ腫に対する臍帯血移植の予後予測因子~日欧国際共同研究~

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2023-12-19 京都大学

諫田淳也 医学部附属病院講師、渡邊瑞希 同病院助教、 熱田由子 日本造血細胞移植データセンター長(兼:愛知医科大学教授)、Éliane Gluckman ユーロコード教授らの研究グループは、日欧におけるリンパ腫に対する臍帯血移植の予後予測因子を明らかとしました。

同種造血幹細胞移植は再発・難治性リンパ腫の一部に対して治癒をもたらす強力な免疫療法です。臍帯血は、HLA一致ドナーに代わる代替移植ソースとして急速に拡大しました。急性白血病に対しては、日欧国際共同研究にて臍帯血移植の予後予測因子やGVHDが予後に及ぼす影響を明らかにしました(Kanda J, et al. Leukemia. 2020;34(1):128-137, Kanda J, et al. Bone Marrow Transplant. 2022 Jan;57(1):57-64.)。本研究では、日欧におけるリンパ腫に対する臍帯血移植の特徴、予後予測因子の共通点および差異を明らかとしました。

本研究成果は、2023 年12月15日に、国際学術誌「Blood Advances」にオンライン掲載されました。

リンパ腫に対する臍帯血移植の予後予測因子~日欧国際共同研究~
(Credits: KyotoU/Robin Hoshino)

研究者のコメント

「本研究は、日本造血・免疫細胞療法学会、日本造血細胞移植データセンター、ユーロコード、欧州血液骨髄移植学会との3つ目の共同研究として実施いたしました。様々な代替移植ソースが利用可能な状況ではありますが、臍帯血移植も重要な移植法の一つです。臍帯血移植は日本が世界をリードしている分野であり、本研究においても国際共同研究を主導し良い提言を行うことが出来ました。また、本研究にご協力いただきました、患者さん、ご家族、臍帯血を提供してくださったお母さん、そして採取してくださった産科の先生方、移植医療にかかわるスタッフの皆様に心より感謝いたします。さらに良いエビデンスが確立できるように努力していきたいと思います。」

詳しい研究内容について

リンパ腫に対する臍帯血移植の予後予測因子-日欧国際共同研究-

研究者情報

研究者名:諫田淳也

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1182/bloodadvances.2023010598

【書誌情報】
Mizuki Watanabe, Junya Kanda, Fernanda Volt, Annalisa Ruggeri, Ritsuro Suzuki, Hanadi Rafii-Elayoubi, Fumihiko Kimura, Barbara Cappelli, Eisei Kondo, Graziana Maria Scigliuolo, Satoshi Takahashi, Chantal Kenzey, Monica Magdalena Rivera Franco, Shinichiro Okamoto, Vanderson Rocha, Patrice Chevallier, Jaime Sanz, Sabine Furst, Jan J. Cornelissen, Noël J Milpied, Naoyuki Uchida, Yasuhiro Sugio, Takafumi Kimura, Tatsuo Ichinohe, Takahiro Fukuda, Mohamad Mohty, Régis Peffault de Latour, Yoshiko Atsuta, Eliane Gluckman (2023). Cord blood transplantation for adult lymphoid neoplasms in Europe and Japan. Blood Advances.

医療・健康
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