新規環境への進出に際して生じる生き方の多様化~「湖」へ回遊したサケ科魚類における回遊パターンの多様化と大型化~

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2024-12-13 京都大学

中西勇太 理学研究科修士課程学生(研究当時)、佐藤拓哉 生態学研究センター准教授、太田民久 富山大学講師、飯塚毅 東京大学准教授、岸大弼 岐阜県水産研究所研究員ら研究グループは、サケ科魚類のアマゴ・サツキマスにおいて、「湖」という新規環境へ回遊した場合に、本来の海へ回遊した場合に比べて、回遊年数の多様化や遡上季節の変化、およびそれらに伴う顕著な大型化がみられることを定量的に示しました。本研究成果は、新規環境の創出や環境の大きな変化に際して、野生動物が柔軟に移住パターン、ひいては生活史を変化させながら暮らしている可能性を示す重要な知見です。

本研究成果は、2024年12月10日に、国際学術誌「Oikos」にオンライン掲載されました。

新規環境への進出に際して生じる生き方の多様化~「湖」へ回遊したサケ科魚類における回遊パターンの多様化と大型化~

研究者のコメント

「降湖型マスを探して訪ねた複数の湖で、多くの有益な情報をくださった各地の方々にとても感謝しています。紅葉の時期の冷たい川を遡上しながらのサンプリングは大変でしたが、その甲斐あって、サケ科魚類が深い湖で回遊パターンを多様化させている例を定量的に示すことができました。この研究結果が生物の新規環境への適応に関するこれからの研究の一助となることを願っています。」(中西勇太)

「釣り人や漁協の方の大きな協力を得て、湖を回遊するマスの実態を少し明らかにすることができました。一人のサケ科魚類好きとしては、特に降湖型オスの勇猛な姿には調査の度に魅了されています。一方で、彼らがダム湖造成後に出現するという背景を考えると、複雑な気持ちにもなります。『勇ましさに 憂いつもりし もみじ鱒』」(佐藤拓哉)

詳しい研究内容について

新規環境への進出に際して生じる生き方の多様化~「湖」へ回遊したサケ科魚類における回遊パターンの多様化と大型化~

研究者情報

研究者名:佐藤 拓哉

生物環境工学
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