2026-06-10 オックスフォード大学
英国オックスフォード大学は、リンチ症候群に関連するがんの予防を目的としたワクチンの初の臨床試験が承認されたと発表した。リンチ症候群は遺伝性のDNAミスマッチ修復異常により、大腸がん、子宮内膜がん、卵巣がんなど複数のがんの発症リスクを大幅に高める疾患である。今回の試験では、異常なDNA修復過程で生じる特有の腫瘍関連抗原を標的とし、免疫系にこれらの異常細胞を認識・排除させることで、がんの発症そのものを防ぐことを目指す。従来のがんワクチンの多くが治療目的であるのに対し、本研究は高リスク者に対する「予防ワクチン」として実施される点が特徴である。試験では安全性や免疫応答の誘導効果を評価するとともに、将来的な発がん予防効果の検証につなげる。研究者らは、本成果がリンチ症候群患者のがん予防戦略を大きく変える可能性を持つだけでなく、他の遺伝性がんや高リスク集団向け予防ワクチン開発の先駆けとなることを期待している。

Image of cancer cells. Image credit: Getty Images (koto_feja).
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