京都大学iPS細胞研究所

細胞遺伝子工学

iPSコホートと機械学習を用いたアルツハイマー病再構成~CDiPテクノロジーによる無病社会に向けた孤発性高齢疾患の解読~

孤発性アルツハイマー病(AD)の患者102人から樹立したiPSコホートを用いて、複雑な孤発性ADの病態を細胞種および病態ごとの表現型(病的形質)に分解し、その背景の遺伝子データからADの臨床リアルワールドデータを再構成する「CDiPテクノロジー」を開発しました。iPSコホートを用いることで、iPS細胞から分化誘導される細胞の種類とAD病態の表現型(病的形質)の組み合わせに特異的な背景の遺伝子のデータを探索することができるシステムとしてcell GWASという概念を構築し実施しました。
有機化学・薬学

6型コラーゲン欠損筋ジストロフィーに対する細胞治療法の開発

6型コラーゲンが欠損して発症する筋ジストロフィー:ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー(UCMD)のマウスモデルにiPS細胞由来間葉系間質細胞(iMSC)を全身投与したところ、細胞組織の病態の改善および運動機能の改善を確認できた。細胞組織における病態の改善は、iMSC移植による筋再生の促進、筋細胞のアポトーシス注3)抑制、ミトコンドリア異常の改善が寄与していることを見出した。
細胞遺伝子工学

CDH18は胎児期の心外膜細胞の指標であり胎児心外膜から平滑筋細胞の分化を制御している

心筋の修復や再生を担う細胞の供給源である心外膜細胞を、iPS細胞から作製し、その細胞表面タンパク質であるCDH18が心外膜細胞の特徴的なマーカータンパク質であることを突き止めました。また、CDH18が心外膜細胞から平滑筋細胞への分化を制御するなど、その重要性を明らかにしました。
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細胞遺伝子工学

筋ジストロフィーのゲノム編集治療を目指したLNP-mRNA輸送システムの開発

ゲノム編集治療に利用可能なLNP輸送システムを開発し、筋ジストロフィーモデルマウスにゲノム編集治療を行うことに成功しました。
細胞遺伝子工学

iPS細胞を用いた人工血小板の作製の効率化に成功 血小板のテイラーメイド医療に向けた一歩

ヒトiPS細胞から血小板を産生するための従来法よりも効率的な手法の開発に取り組みました。細胞の増殖を妨げるCDKN1Aとp53という2つの遺伝子の働きを抑えることで、高効率に血小板産生細胞を得られることが分かりました。従来の血小板輸血では治療が困難な血小板不応症の患者さんの治療にもつながることが期待されます。
細胞遺伝子工学

女性のX連鎖性鉄芽球性貧血患者さん由来のiPS細胞を使った病態モデルの作製と治療薬候補の発見

X連鎖性鉄芽球性貧血(XLSA)の患者さんから作製したiPS細胞により、XLSAにおける赤芽球成熟障害を再現し、病態モデルを作製しました。このモデルを用いて、アザシチジン(AZA)が女性のXLSA患者さんから作製した細胞の赤血球生成を改善し、治療薬となり得ることを示しました。
細胞遺伝子工学

iPS細胞を用いた腎疾患の細胞療法の開発へ

ヒトiPS細胞から作製されるネフロン前駆細胞を用いた腎疾患に対する細胞療法の開発に向けて、質量分析によるタンパク質、代謝産物などの解析を実施し、HLAホモiPS細胞株由来ネフロン前駆細胞が分泌する治療効果因子の同定を行います。ネフロン前駆細胞の分化誘導および拡大培養において混入する目的外細胞や不純物を解析し、分化誘導法と拡大培養法の改良、及び品質と製造工程のモニタリング法の開発を進めてまいります。
医療・健康

「iPS細胞由来ナチュラルキラー細胞を用いた卵巣がん治療に関する治験」における第一症例目の移植実施について

卵巣がん患者さんにヒトiPS細胞由来ナチュラルキラー(NK)細胞の細胞移植を実施した。京都大学iPS細胞研究財団が提供するiPS細胞ストック注2)の細胞を用いた。治験は国立がん研究センター東病院にて継続中。
細胞遺伝子工学

デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおける筋収縮力低下のメカニズムの一端を解明

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さん由来iPS細胞を用いて、ストア依存性Ca2+チャネルの一つであるOrai1-STIM1複合体が、DMDの病態の一つとされている骨格筋細胞へのカルシウム過剰流入を制御していることを見出しました。
細胞遺伝子工学

上下動撹拌培養装置を用いた流体制御により誘導した反転型脳オルガノイド

上下動撹拌型の培養装置を用いて、非定常的に3D浮遊培養を行いながら流体制御することによって、従来の化合物を使用せずに脳オルガノイドを誘導できることを明らかにしました。
有機化学・薬学

TMPRSS2とカテプシンBを標的とした新型コロナウイルスの感染阻害

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) 感染においてTMPRSS2とカテプシンBが重要な役割を担うことを見出しました。TMPRSS2阻害剤とカテプシンB阻害剤の組合せによりSARS-CoV-2感染効率が低下することを確認しました。
細胞遺伝子工学

高い増殖性を持つキラーT細胞クローンを作製 〜養子免疫療法への応用に期待〜

iPS細胞を経由して、高い増殖性を持つ細胞傷害性T細胞(キラーT細胞/CTL)クローンを作製する方法を開発した。
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