血液細胞の先祖が判明:それはアメーバ様単細胞生物だった

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2022-12-15 京都大学

長畑洋佑 医生物学研究所特定研究員、河本宏 同教授らの研究グループは、血液細胞の進化的起源がアメーバ様単細胞生物であることを解明しました。

赤血球や血小板、好中球、マクロファージ(食細胞)、リンパ球など、体内には様々な血液の細胞が存在しますが、その進化的起源については不明な部分が多く、マクロファージはほぼ全ての動物にも存在することから、「マクロファージが起源であろう」と漠然と推測されてきただけでした。本研究では、マウスから単細胞生物にまで渡る広範な生物種の遺伝子発現状態を包括的に比較し、血液細胞の起源がマクロファージであること、その遺伝学的特徴が単細胞生物から保存されていることを突き止めました。本研究の成果は、血液細胞の進化の理解を深めるとともに、異生物種間の遺伝子発現パターンの包括的な比較という新たな手法を開発し、生物進化の更なる解明に貢献すると考えられます。

本研究成果は、2022年12月15日に、国際学術誌「Blood」に掲載されました。

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研究者のコメント

「私は、血液内科医として、白血病やリンパ腫などの血液疾患の患者さんを診療して参りましたが、有効な治療法が乏しく、治せない疾患・患者さんは少なくありません。これは、血液疾患、さらに言えば、血液細胞そのものの正体についてわからないことが多いためです。そこで、血液細胞の正体を明らかにしようと研究を開始し、その進化の過程と起源を探ることで、正解に近づけるのではないかと考えました。本研究を基に、血液細胞や血液疾患の正体を明らかにできれば本望です。」

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:河本 宏

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