SPring-8を用いて糖尿病進行に伴うインスリン産生細胞(膵β細胞)での鉄・亜鉛の変動を解明

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2023-03-15 群馬大学

福中彩子1*, 志村まり2,3*, 一ノ瀬尊之4, Ofejiro B. Pereye1, 中川祐子1, 田村康子1, 水谷和香奈1, 井上亮太5, 井上陽登6, 田中優人7, 佐藤隆史1, 齋藤達哉8, 深田俊幸9, 西田友哉10, 宮塚 健10,11, 白川 純5, 綿田裕孝10,松山智至2,6,7,藤谷与士夫1* (1. 群馬大学生体調節研究所 分子糖代謝制御分野;2. 理化学研究所放射光科学研究センター生体機構研究グループ; 3.国立国際医療研究センター・難治性疾患研究室; 4. 株式会社東レリサーチセンター 無機分析化学研究部; 5. 群馬大学生体調節研究所 代謝疾患医科学分野; 6. 名古屋大学大学院工学研究科・物質科学専攻・量子ビーム物性工学; 7. 大阪大学大学院工学研究科・物理学系専攻・精密工学コース・超精密加工領域; 8. 大阪大学大学院薬学研究科 生体応答制御学分野; 9. 徳島文理大学薬学部 病態分子薬理学; 10. 順天堂大学大学院 代謝内分泌内科学; 11. 北里大学医学部内分泌代謝内科学;*責任著者)

概要

群馬大学生体調節研究所、理化学研究所、名古屋大学などから構成される研究チームは、SPring-8を用いた走査型蛍光X線顕微鏡(SXFM)を用いて、ヒト型糖尿病モデルマウス(hIAPP-Tg)のインスリン産生細胞(膵β細胞)を対象に、元素イメージングを行い、糖尿病発症前から亜鉛が激減、進行に従って鉄減少が加わることを見出しました。糖尿病症状が進行した32週齢では、両元素共に減少状態に至り(図参照)、同時期にミトコンドリア機能障害が観察されました。糖尿病は予備軍も含めると、日本人の5~6人に1人が罹患している国民病です。本研究は、その進行解明と発症予防に向けた研究に今後貢献すると考えます。

原著情報
Zinc and iron dynamics in human islet amyloid polypeptide‑induced diabetes mouse model
Scientific Reports
公開日:3月15日(水) ロンドン時間午前10時 DOI:10.1038/s41598-023-30498-y

オンラインURL
https://www.nature.com/articles/s41598-023-30498-y

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