α2マクログロブリンが変性たんぱく質を分解する役割を発見 ~アルツハイマー病などの新しい治療法確立に前進~

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2023-03-28 千葉大学,科学技術振興機構

千葉大学 大学院理学研究院の板倉 英祐 准教授らの研究グループは、血液中に豊富に存在するたんぱく質であり、プロテアーゼインヒビター(たんぱく質分解阻害剤)として働くことが知られているα2マクログロブリンが、血液中の変性たんぱく質を細胞内へ運び、分解へ導くことを明らかにしました。

本研究では、細胞外のたんぱく質分解システムを調べるために、α2マクログロブリン(a2M)に緑色蛍光たんぱく質(GFP)と赤色蛍光たんぱく質(RFP)を付加したa2M-RFP-GFPを使って、細胞内のリソソームで分解されたα2マクログロブリンを蛍光検出できる取り込みアッセイ法を開発しました。その結果、α2マクログロブリンは細胞外シャペロンとして変性たんぱく質と複合体を形成した後、細胞内に取り込まれ、変性たんぱく質をリソソーム分解へ導くことを発見しました。

本研究グループは以前の研究でも、別の細胞外シャペロンであるクラステリンが細胞外変性たんぱく質をリソソーム分解へ導くことを明らかにしていました。そこでα2マクログロブリンとクラステリンの基質指向性の違いを調べたところ、α2マクログロブリンはより凝集性の高い変性たんぱく質への指向性が高いのに対して、クラステリンは広範な変性たんぱく質に指向性があることが分かりました。細胞外変性たんぱく質を認識する細胞外シャペロンの基質指向性の違いを使い分けることで、特定の基質を標的とした分解システムの応用が期待されます。

この研究成果は、英国科学雑誌「Scientific Reports」で2023年3月28日(英国時間)に公開されます。

本研究は、以下の支援を受けて実施されました。

【科学技術振興機構(JST)】
創発的研究支援事業 JPMJFR204N

【日本学術振興会(JSPS)】
基盤研究(B) 20H03249
新学術領域研究(研究領域提案型) 20H05312、22H04634

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Alpha 2-macroglobulin acts as a clearance factor in the lysosomal degradation of extracellular misfolded proteins”
DOI:10.1038/s41598-023-31104-x
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
板倉 英祐(イタクラ エイスケ)
千葉大学 大学院理学研究院 准教授

<JST事業に関すること>
中神 雄一(ナカガミ ユウイチ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 創発的研究支援事業推進室

<報道担当>
千葉大学 広報室
科学技術振興機構 広報課

生物化学工学
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