遺伝子治療の潜在的なリスクを減らす方法を開発 ~革新的な治療の臨床応用に向けた礎として~

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2023-05-16 東京大学

東京大学大学院医学系研究科の加藤基大学院生(研究当時)、岡崎睦教授、東京大学医学部の栗田昌和講師と東京大学大学院工学系研究科の石川昇平助教、酒井崇匡教授らによる研究グループは、皮膚潰瘍表面をターゲットとしたアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)による遺伝子導入の効果を局在化させる方法を開発しました。

本研究グループが開発した医療用ゲル(テトラPEGシステム)、なかでも動的な共有結合をもつように設計されたPEGスライムをキャリアとして緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するAAVをマウスの皮膚潰瘍面に投与すると、キャリアを用いずに投与した場合と比較して、潰瘍表面付近の細胞におけるGFP発現頻度を低下させることなく、より深い部位や代表的な遠隔臓器である肝臓におけるGFP発現を減らすことができました。

高い自由度で溶解特性を調整することが可能なPEG高分子をドラッグデリバリーに用いることによって、局所的な病態を対象とした遺伝子治療に伴う潜在的な合併症発生のリスクを減らしうることが示唆されました。本研究グループが開発を進める生体内リプログラミングによる皮膚潰瘍治療、組織胎児化による複合的組織再生法など、強力な治療法の研究開発に応用されることが期待されます。
本研究成果は、5月16日(英国夏時間)に「Communications Biology」で公開されました。

※詳細は添付ファイルをご覧下さい。

医療・健康
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