7億年にわたる血液細胞の家系図―T細胞の祖先はマスト細胞だった―

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2026-05-26 京都大学

京都大学医生物学研究所の河本宏教授らの研究グループは、血液細胞と免疫細胞の進化過程を解析し、約7億年に及ぶ「血液細胞の家系図」を復元した。研究では、多様な動物や単細胞生物の遺伝子発現を比較する新手法を開発し、血液細胞が単細胞生物時代の遺伝子プログラムを基盤として進化してきたことを明らかにした。その結果、最初の血液細胞はマクロファージ様細胞であり、そこからマスト細胞が分岐し、さらにマスト細胞から原始的T細胞や赤血球が、マクロファージから原始的B細胞が派生したことが示された。特に、T細胞とマスト細胞、赤血球、血小板が近縁であるという発見は、免疫細胞進化の理解を大きく更新する成果である。研究グループは、長年提唱してきた「ミエロイド基本型モデル」が進化過程を反映していたことを示す集大成的成果と位置付けている。成果は『PNAS』に掲載され、免疫疾患や血液疾患研究への応用が期待される。

7億年にわたる血液細胞の家系図―T細胞の祖先はマスト細胞だった―
血液細胞の誕生と多様化の歴史。血液細胞の起源は約7億年前、まだヒトの祖先が単細胞生物だった頃まで遡れる。そして、祖先が多細胞生物(動物)として進化した際に、初代の血液細胞としてマクロファージが誕生した。その後の進化の歴史のなかで、マスト細胞などの様々な血液細胞が分岐していった。

<関連情報>

動物は単細胞生物時代の祖先のレガシーを血液細胞として拡張させた
Animals have expanded the evolutionary legacy of unicellular ancestors in blood cells

Yosuke Nagahataa,b,c, Yuji Nishimuraa , Ryota Kaitania, Jason Cheok Kuan Leongd, Izumi Oda-Ishiie, Hisanori Kohtsukaf, Shinya Abeg,h, Tasuku Ishidae, Marina Carmona-Rivasb, Sebastian R. Najlei, Elena Casacubertab, Koichi Ikutag, Toru Miuraf, Michio Ogasawaraj, Naoki Iried, Yutaka Satoue, Iñaki Ruiz-Trillob,k, Hiroshi Kawamoto
Proceedings of the National Academy of Sciences

細胞遺伝子工学
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