RNA結合タンパク質の標的分子探索手法を開発

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複雑なRNA制御のメカニズム解明に期待

2020-07-07 京都大学

飯田慶 医学研究科特定助教、武内章英 同准教授、萩原正敏 同教授らの研究グループは、RNA結合タンパク質の1つであるSFPQ(Splicing Factor Proline And Glutamine Rich)をモデルとして、「RNAの機能的制御につながる結合」を探索するバイオインフォマティクス手法を開発しました。

哺乳類の細胞において、遺伝情報は染色体DNAからRNAに転写され、さらに様々な転写・転写後制御を受けることが知られています。RNAの制御を行う分子はRNA結合タンパク質と呼ばれ、ヒトで1500種類以上が存在することが知られています。RNAの制御は、複雑な遺伝子発現制御を必要とする哺乳類で特に重要であり、その異常がさまざまな疾患を引き起こすことが知られています。一方、それぞれのRNA結合タンパク質が数万種類のRNAのうちどれをどう制御するのかが大きな謎となっています。

本研究で開発された手法により、観察されていた236,000箇所以上の結合部位のうち、標的分子を決定する際に重要な役割を持つと考えられる約200箇所の同定に成功しました。これは、複雑なRNA制御のメカニズムおよびその包括的制御の全容解明や、RNA制御異常により引き起こされる疾患の治療法開発につながる成果です。

本研究成果は、2020年6月27日に、国際学術誌「iScience」に掲載されました。

RNA結合タンパク質の標的分子探索手法を開発

図:本研究の概要図

詳しい研究内容>

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.isci.2020.101325

KeiI IDA, Masatoshi Hagiwara, Akihide Takeuchi (2020). Multilateral bioinformatics analyses reveal the function-oriented target specificities and recognition of the RNA-binding protein SFPQ. iScience, 101325.

細胞遺伝子工学
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