オランザピンの非典型的糖尿病誘発機構を解明~体重増加以外にも注意が必要~

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2020-12-02 京都大学

森和俊 理学研究科教授、蜷川暁 同特定助教らの研究グループは、が引き起こす、非典型的な糖尿病発症の分子メカニズムを明らかにしました。

第二世代抗精神病薬オランザピン (商品名:ジプレキサ) は、統合失調症などの症状を効率的に抑えますが、副作用として糖尿病を引き起こす場合があります。これまでは、オランザピン誘発性の糖尿病は、食欲亢進に伴う体重増加、それに続くインスリン抵抗性によって説明されてきました。しかし中には、肥満を伴わない非典型的な糖尿病も誘発されることが臨床的に報告されていました。

そこで、本研究グループは、オランザピンが直接膵β細胞に作用している可能性を考えて検証し、オランザピンがインスリンの前駆体であるプロインスリンの適切な構造形成を妨げて分解へと導くことによって、膵β細胞からのインスリン分泌を阻害することを明らかにしました。

本研究により、未解明であった副作用発症機構が解き明かされたことで、今後のより適切なオランザピンの処方と服用につながることが期待されます。

本研究成果は、2020年11月17日に、国際学術誌「eLife」にオンライン掲載されました。

図:本研究の概要図

図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:森 和俊
研究者名:蜷川 暁

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医療・健康有機化学・薬学
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