動脈硬化発症を制御する転写因子の相互作用を発見

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2020-12-09 京都大学

伊藤信行 名誉教授、島野仁 筑波大学教授、中川嘉 筑波大学教授、小西守周 神戸薬科大学教授、曽根博仁 新潟大学教授の研究グループは、動脈硬化発症を制御する転写因子の相互作用を発見しました。

動脈硬化は生活習慣病の終末像の一つで、脂質代謝異常がきっかけとなって血管の壁内の脂質蓄積が増加し、血管が細くなる病気です。これが原因となり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など死に直結するような重篤な疾患をもたらします。糖質代謝異常を抑制する仕組みが分かれば、それを標的とした動脈硬化治療の道が開けます。
本研究グループは、これまでに、肥満、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝を改善する転写因子(タンパク質)CREB3L3を発見しています。そこで、このCREB3L3について、動脈硬化に対する働きを検証し、CREB3L3が動脈硬化の発症を制御することを見出すとともに、その仕組みを明らかにしました。

CREB3L3欠損マウスでは、非常に短期間で動脈硬化が悪化した一方、CREB3L3過剰発現マウスでは動脈硬化の発症が顕著に抑制されたことから、CREB3L3の有無が動脈硬化の発症を左右することが分かりました。また、CREB3L3が、肝臓や小腸において糖質代謝を制御し、これが動脈硬化に影響を及ぼしていること、さらに、脂質代謝異常を引き起こす転写因子SREBPと、互いの活性化ステップを抑制しあう関係にあることも明らかになりました。

本研究により、CREB3L3は肝臓と小腸で脂質代謝を制御することから、動脈硬化をはじめとする生活習慣病の治療標的となり得ることが明らかになりました。今後、新たな生活習慣病治療薬の開発につながることが期待されます。

本研究成果は、2020年11月24日に、国際学術誌「Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology」に掲載されました。

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図:本研究で明らかになったCREB3L3の機能とその分子メカニズム

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