iPS細胞を用いて肺胞上皮細胞の分化評価に成功~肺の障害研究への足がかりに~

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2020-12-14 京都大学

後藤慎平 医学研究科特定准教授、金墻周平 同研究員、池尾聡 同博士課程学生らの研究グループは、萩原正敏 同教授、平井豊博 同教授、鈴木穣 東京大学教授と共同で、ヒトiPS細胞から作成した肺胞上皮細胞の1細胞レベルでの遺伝子解析を行い、II型肺胞上皮細胞からI型肺胞上皮細胞が作られる過程を示しました。

肺は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換を行う組織です。このガス交換に重要な役割を果たす細胞として、I型肺胞上皮細胞とII型肺胞上皮細胞があります。ウイルス感染や環境刺激によって、I型肺胞上皮細胞が死ぬことが知られており、死んだI型肺胞上皮細胞を補うためにII型肺胞上皮細胞がI型肺胞上皮細胞に分化します。間質性肺炎などの呼吸器疾患では、この分化異常が病態の一因として関与することが考えられますが、分化をヒト細胞で評価する方法がなかったため、研究の大きな制約となっていました。

ヒトiPS細胞から作成した肺胞上皮細胞の培養モデルは、今後、肺の修復に関与する創薬等に役立つことが期待されます。

本研究成果は、2020年11月27日に、国際学術誌「Stem Cells」にオンライン版に掲載されました。

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図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:後藤慎平
研究者名:萩原正敏
研究者名:平井豊博

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細胞遺伝子工学
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