強害水田雑草コナギの除草剤抵抗性進化の特徴的なパターンを解明

ad
ad

標的酵素遺伝子における遺伝子重複の影響

2021-08-12 京都大学

岩上哲史 農学研究科助教、谷垣伸治 同修士課程学生(研究当時)らの研究グループは、強害水田雑草コナギにおける除草剤抵抗性進化に特徴的なパターンがあることを発見しました。

水稲栽培では雑草の防除にアセト乳酸合成酵素(ALS)を阻害する除草剤がよく利用されますが、このタイプの除草剤に抵抗性を進化させた雑草も数多く報告されています。そしてALS阻害剤に対する抵抗性のほとんどは、除草剤の標的となる酵素ALSをコードする遺伝子の1塩基置換によることが知られています。

コナギは日本で一般的な水田雑草ですが、ALS遺伝子の数が他の雑草よりも多く、5つあることが同グループの解析で明らかにされていました。本研究では、全国から抵抗性の疑いのある100以上のコナギ集団を収集し、除草剤反応や遺伝子の解析を行い、抵抗性進化に利用される遺伝子は5つのALS遺伝子のうち、発現量の高い2つのみであることを明らかにしました。これは、同じ機能を持つ重複遺伝子が進化的イノベーションに利用される場合、その中で利用される遺伝子は発現量の差違に強く影響をうけることを明らかにしたものです。

本研究成果は、2021年8月6日に、国際学術誌「New Phytologist」のオンライン版に掲載されました。

強害水田雑草コナギの除草剤抵抗性進化の特徴的なパターンを解明図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:岩上哲史

細胞遺伝子工学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました