オンライン医療相談がアトピー性皮膚炎の発症を抑える可能性 ~疾患予防におけるICTの活用に大きな期待~

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2022-03-16 国立成育医療研究センター

株式会社Kids Public(所在地:東京都千代田区、代表:橋本直也)と、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区、理事長:五十嵐隆)政策科学研究部の安藤友久共同研究員、竹原健二部長らのグループは、小児科に特化したオンライン医療相談「小児科オンライン」を用いて、オンライン医療相談が生後4か月時点の子どものアトピー性皮膚炎の有症率にどのような影響を与えるのかを調べる共同研究を行いました。
本研究(栄区母子小児医療相談研究:SIMPLE Study(シンプル・スタディ))は、横浜市栄区において特定の期間に出生した子どもとその母親を、オンライン医療相談などを提供する介入群と、提供しない対照群にランダムに分けて調査しました。
その結果、介入群は対照群と比べて、生後4か月時点のアトピー性皮膚炎の有症率が13%低くなりました。これは、オンライン医療相談で小児科医から直接受ける自宅でのスキンケア方法についてのアドバイス、またメールマガジンでスキンケアの重要性などの情報を得られる環境が、アトピー性皮膚炎を抑えることに有効であることを示唆しています。
今後、さらなる研究や検証を進めることで、アトピー性皮膚炎だけではなく、さまざまな疾患の発症予防や早期発見などにおいてもICTの活用が期待されます。
本研究結果は、2022年2月17日に英文雑誌「JMIR Pediatrics and Parenting」に掲載されました。

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プレスリリースのポイント

  • 介入群では、対照群に比べ生後4か月健診時点でのアトピー性皮膚炎の有症率が13%低くなりました。(20% vs 33%, P=.02; relative risk ratio, 0.709 [95% CI 0.519-0.969])。
  • オンライン医療相談の提供が、アトピー性皮膚炎の有症率を下げる効果がある可能性を示唆した世界初の研究です。
  • 現代社会においては、半数以上の乳児が何らかの皮膚トラブルを抱えると言われています。中でもアトピー性皮膚炎は、その後のアレルギー疾患(食物アレルギーや喘息など)の発症にも関わっていると言われており、乳児期の予防や治療がとても重要とされています。
  • 本研究は、介入研究において信頼性が高い「ランダム化比較試験」を用いており、介入による効果を示唆することができました。

論文掲載情報

掲載雑誌:JMIR Pediatrics and Parenting
論文タイトル:Effectiveness of Pediatric Teleconsultation to Prevent Skin Conditions in Infants and Reduce Parenting Stress in Mothers: Randomized Controlled Trial
著者:Tomohisa Ando, Rintaro Mori, Kenji Takehara, Mari Asukata4, Shuichi Ito, Akira Oka
論⽂へのリンク:https://pediatrics.jmir.org/2022/1/e27615
doi: 10.2196/27615

詳しい資料は≫

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