2022-02-21 京都大学
豊島彩 教育学研究科研究員(現・島根大学講師)、楠見孝 同教授は、高齢者を対象として、孤独を好む傾向が孤独感や主観的幸福感とどのように関係するかを検証するため調査を実施しました。研究1ではWEB調査を行い、孤独を好む志向性をさらに細かい要素に分類した結果、「孤独を必要とする」「孤独を楽しむ」「孤独の生産性を評価する」の3つの要素が示されました。研究2ではさらに郵送調査を行い、これらの3つの要素が主観的幸福感とどのように関連するか分析しました。
その結果、「孤独を楽しむ」傾向がある人はそうでない人と比べ、ネガティブな感情を経験しにくいことが明らかとなりました。また、効果は弱いながらも、「孤独の生産性を評価する」傾向がある人は、ポジティブな感情を経験しやすく、人生満足度が高いことが示されました。一方で、孤独を好む志向性は孤独感の高さとも関連するため、孤独感が高まる場合、その効果は部分的であることがわかりました。
本研究成果は、2022年2月3日に、国際学術雑誌「Innovation in Aging」に掲載されました。
図:本研究の分析結果のイメージ
研究者情報
研究者名:豊島彩
研究者名:楠見孝