生物工学一般 新規光駆動型イオンチャネルの構造解明と高性能分子ツールの創出~神経科学に光を当てる~ 光刺激によって陽イオンを輸送するタンパク質、チャネルロドプシンの中でも近年特に注目されているChRmineについて、クライオ電子顕微鏡を用いてその立体構造を決定し、ChRmineがイオンチャネルとして機能する仕組みを明らかにしました。得られた立体構造の知見を利用して、自然界には存在しない改変型ChRmineを作製し、分子ツールとして用いることでより発展的な光遺伝学実験を可能にしました。 2022-02-03 生物工学一般
生物工学一般 先祖の経験を学ぶと、進化は加速する:学習が進化に与える影響を考察する数理的枠組みを構築 進化と学習の関係を扱う新たな数理手法を構築することで、先祖の経験を生物個体が学習し、先祖をまねた形質を選択すると仮定すると、ランダムな突然変異のみを考慮した場合よりも、進化が加速されることを数理的に明らかにした。学習による進化の加速を定量化する方法として、フィッシャーの基本定理を拡張した。 2022-02-02 生物工学一般
生物工学一般 キンカメムシのユニークな求愛ダンスを明らかに~多様な感覚によるコミュニケーションの進化の謎に迫る~ 亜熱帯林に生息するカメムシの1種ナナホシキンカメムシが行うユニークな求愛ダンスの詳細を明らかにしました。実験室内で詳細な観察を行ったところ、ナナホシキンカメムシは求愛行動のなかで、振動感覚、視覚、化学感覚、触覚といった多様な感覚に作用する4種類以上のシグナルを順序立てて利用している可能性が示されました。 2022-02-01 生物工学一般
生物工学一般 サルより遅いヒトの脳処理~進化するほど脳の回転は遅くなる!?~ 霊長類の進化では、ヒトの脳処理が遅くなったことが、世界で初めて明らかになりました。ヒトやチンパンジーを含む霊長類4種の脳波を計測し、大脳が音を処理する速さを比較しました。音の始まりを大脳が分析したことを示すN1という脳応答のタイミングが、ヒトで最も遅かったことがわかりました。 2022-01-26 生物工学一般
生物工学一般 ダウン症モデルラットの作製に成功 ~ダウン症の脳病態のメカニズム解明に期待~ 独自の染色体工学技術を用いて、ダウン症の発症に関わるヒト21番染色体をラットに導入することにより世界で初めてダウン症モデルラットの作製に成功し、これまでにモデルマウスでは観察されていなかった小脳小葉の分岐形成過程に障害があることを明らかにした。 2022-01-25 生物工学一般
生物工学一般 体が分岐する環形動物の新種発見:佐渡島のキングギドラシリス 佐渡島近海における潜水調査により、体が分岐する新種の環形動物を発見し、キングギドラシリスと命名した。左右相称の動物において、体幹部が分岐する体制をもつものは極めて稀である。本種の体は尾部に向かって幾度も分岐し、宿主となるカイメンの中で縦横無尽に張りめぐらせている。 2022-01-20 生物工学一般
生物工学一般 巨大系統樹推定を可能にする深層分散コンピューティング 大量のDNA配列から高速に巨大な系統樹を推定する「深層分散コンピューティング」FRACTAL手法を開発した。さまざまな系統樹推定ソフトウェアが取り扱えるDNA配列数を飛躍的に拡張させ、最低でも2億の配列から成る巨大な系統樹の推定に利用できることが示された。 2022-01-07 生物工学一般
生物工学一般 全脳からシナプススケールにズームインするイメージング技術の開発に成功~組織透明化技術と電子顕微鏡技術の融合によりシームレスな観察を実現~ 全脳スケールからシナプススケールまで、組織透明化技術と電子顕微鏡技術の融合により、神経回路の構造をズームインしながら観察する手法の開発に成功しました。 2021-12-28 生物工学一般
生物工学一般 非標識の細胞形態情報をAIで高速に判別し、目的細胞を分取する技術を開発 機械学習解析技術と高速形態計測技術を融合し、複数の細胞種が混ざった集団から、目的の細胞を非標識形態情報に基づいて、高速に判別・分取する技術を開発した。iPS細胞の生死などの状態、分化と未分化、がん化などの非標識判別および末梢血由来の白血球細胞主要5種の、非標識形態情報に基づいた判別を実証した。 2021-12-22 生物工学一般
生物工学一般 化石種を一挙に9種発見:クモヒトデが新たな環境指標生物となる可能性 棘皮動物の仲間であるクモヒトデ類の体を構成する数ミリの骨片の化石から種を同定し、インド-西太平洋地域で初めて、単一の地層における化石クモヒトデ相の解明に成功した。これまで国内では骨片化石の記録はほとんどなかったが、神奈川県三浦半島に分布する後期更新世の地層(横須賀層)より、一挙に9種が得られた。 2021-12-21 生物工学一般
生物工学一般 コアプロモーターを介した転写バースト制御メカニズムを解明 DNAからタンパク質の設計図となるmRNAを合成する転写反応の制御において中心的な役割を担うのは、コアプロモーターやエンハンサーと呼ばれるゲノム中の調節領域です。転写制御におけるコアプロモーターの働きを生きたショウジョウバエ初期胚において直接可視化するライブイメージング技術を新たに開発しました。 2021-12-13 生物工学一般
生物工学一般 RNAヘリカーゼVasaの働く様子を1分子可視化 RNAヘリカーゼVasaが働く様子を1分子可視化し、切断されたRNAを引きはがす際に、Vasaがオリゴマー化して機能すること、またその過程は不均一であることを明らかにしました。今までVasaが1分子レベルで働く様子が可視化されたことはなく、ヘリカーゼ活性の仕組みの一端を明らかにしました。 2021-12-11 生物工学一般