生物環境工学

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水の満ち引きが多様な生物の共存を実現~自然氾濫原において多くの生物の共存を可能とする河川氾濫の役割~

北海道大学雨龍研究林内の希少な天然氾濫原において研究を行い、河川の氾濫が氾濫原生態系の生物多様性を維持する上で重要であることを示しました。河川の氾濫から収束までの間、水の流れの変化と生物の応答を克明に調査し、氾濫と共に様々に形を変えながら流れ下る川の水のダイナミクスが幻の巨魚イトウをはじめとする様々な魚や両生類、そして水生昆虫やプランクトンなどの多様な生物が氾濫原に生息する秘訣となっていることを示しました。
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「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
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野生マンドリルの移動パターンを解明~直接追跡法と自動撮影カメラ法を組み合わせて説得力のある結論を得る~

ガボン共和国・ムカラバ国立公園に暮らすマンドリルの群れの移動速度変化について、伝統的な直接追跡法と新規手法の自動撮影カメラを組み合わせて調査しました。
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東日本大震災の津波が長寿二枚貝ビノスガイの大量死に関与していたことを殻の分析から推定

岩手県船越湾の海底から採取された長寿二枚貝ビノスガイの死殻の年輪解析と放射性炭素年代測定から、2011年3月11日に発生した津波が、ビノスガイの大量死を招いていたことを明らかにしました。
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ケイ酸質の葉毛は中型・大型土壌動物による葉の分解を抑制するのか

葉毛の特徴が大きく異なるクワ科近縁の二樹種(ケイ酸質の葉毛を高密度で有するカジノキと葉毛をほとんどもたないヤマグワ)を用いて、ケイ酸質の葉毛が中型・大型土壌動物による葉の分解を抑制する可能性を実験的に明らかにしました。
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漆黒の夜の海で魚を追う新手法~夜行性魚類の回遊生態を解明~

世界で初めての光るタグを付けて暗闇のなかで追跡する手法に挑戦し、夜行性魚類ハタンポ科の夜間の行動生態の解明に繋がった。これまでの予想に反し、ミナミハタンポが夜間にサンゴ礁の外まで長距離を回遊していることが判明した。サンゴ礁の外から内までエネルギーを運搬する生態系にとっての重要な役割を果たすことが分かった。
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分布の中心で、メスジカを捕らえる~個体群の分布域周辺部にはオスが、中央部にはメスが多い~

ニホンジカの性比は分布の周辺部と中央部で異なることがわかりました。一定の生息密度に達するまでは、生息密度が高くなるほど角なしシカ(メスと1歳未満のオス)の比率が高くなりました。シカの個体群管理には、子を生むメスを駆除して次世代を減らすことが有効であり、メスが多い地域の特定は効率的な個体群管理に役立つことが期待されます。
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土壌動物の多くは落葉分解者として機能していない?~トビムシの餌炭素年齢から従来の常識が覆る~

森林などの陸域生態系で優占するトビムシをはじめとする土壌動物の多くの分類群が、落葉など枯死有機物の分解者として機能しているわけではないことを明らかにしました。
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“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む

クマムシの乾燥耐性メカニズムを探究する研究を行っています。クマムシの細胞内にみられるタンパク質のかたちとふるまいを詳しく調べるなかで、水分の消失に伴ってCAHS1というタンパク質分子が集まってくる様子を観察することに成功しました。乾燥条件に晒されたり、脱水ストレスが細胞にかかると、このタンパク質が集まってファイバーをつくることを世界で初めて明らかにしました。
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創始者社会性仮説は、動物が新しいニッチに進出する際の長期的な社会変化を説明する

動物集団から分かれた少数個体が未開拓の生息地に進出することによって社会性に大きな変化がみられ、そのことが社会行動の進化に重要な影響を与えるという仮説を提唱しています。これを「創始者社会性仮説」と呼んでいます。
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重層社会における群れを超えた休息行動の同期~ドローンを用いた野生ウマ集団の行動分析~

野生化したウマで休息行動の同期が群れを超えて起きることを明らかにしました。ウマにおける重層社会における群れ間の行動調整の一端を明らかにしました。
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南極の湖から新種のレジオネラ属菌の単離培養に成功 本属としては初の低温耐性菌

第60次南極地域観測隊(2018年~2019年)が採取した南極の湖の堆積物からレジオネラ属菌を探索し、その培養に成功しました。4~25℃という低温条件で増殖する新種であることが分かり、低温条件でも細胞膜の流動性を高めうる不飽和脂肪酸を細胞内に溜め込むことや、自身のゲノム上で位置を転移し、ほかの遺伝子に影響を与える“動く遺伝子”を数多く持つなどユニークな特徴も明らかになりました。
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