2021-12

医療・健康

アンサンブル学習を用いた造血幹細胞移植予後予測モデルの開発~機械学習を用いた新規生存時間解析手法の実装~

同種造血幹細胞移植においては、患者年齢や疾患等の患者因子、並びにHLA一致度やドナーソース等のドナー側因子を含む数多くの因子が予後に関わる事が知られています。本研究グループは、従来、予後予測に用いられてきた統計学的手法、並びに機械学習手法で得られた予測モデルを、アンサンブル学習を用いて融合し、新たな予測モデルを開発しました。
生物化学工学

困ったときは兄弟に~学習行動を制御するタンパク質をよく似たタンパク質がサポートする~

線虫 は、PKC-1というタンパク質の働きによって自分の飼育されていた環境を記憶することが知られています。今回、PKC-1の「兄弟分」であるよく似たタンパク質、TPA-1が特定条件でPKC-1の機能をサポートすることを明らかにしました。例えば線虫が老化したときや他の感覚入力に学習行動を邪魔された場合などにおいて、学習がなるべく正常に行われるようにTPA-1が働くことが明らかになりました。
生物工学一般

全脳からシナプススケールにズームインするイメージング技術の開発に成功~組織透明化技術と電子顕微鏡技術の融合によりシームレスな観察を実現~

全脳スケールからシナプススケールまで、組織透明化技術と電子顕微鏡技術の融合により、神経回路の構造をズームインしながら観察する手法の開発に成功しました。
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生物環境工学

アザラシによる観測で秋~冬の南極沿岸の海洋環境が明らかに

南極・昭和基地でウェッデルアザラシに水温塩分記録計を取り付けて調査を行い、その観測データから、秋に外洋の海洋表層から暖かい海水(暖水)が南極大陸沿岸に流れ込んでいること、また、その暖水を利用することでアザラシが効率よく餌をとっていたことを明らかにしました。
医療・健康

マクロファージの殺細胞作用を高める新規がん治療標的タンパク質SIRPβ1を発見

がん細胞を殺傷する能力を持つマクロファージに存在するSIRPαおよびSIRPβ1という膜タンパク質に特異的に結合する抗体を用いることで、マクロファージが活性化され、特定のがん細胞を効率よく排除出来ることを明らかにしました。
医療・健康

楽器演奏の習得の脳科学的効用~音楽経験により特定の脳活動が活発化~

ヴァイオリン等の楽器を5歳頃より習得してきた中高生は、9歳以降に習得を始めた楽器経験者や未経験者と比較して、音楽判断に対する脳活動が活発になることを発見しました。楽器演奏に必要な音の高さ、テンポの速さ、音の強弱、複数の音の抑揚、という判断を司る脳部位が異なることが、特定の脳活動の活発化から初めて実証されました。音楽などの早期教育が注目を集める中、自然な母語習得を楽器演奏習得に応用した「スズキ・メソード」の有効性が、脳科学によって明らかとなりました。
有機化学・薬学

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に重要な腫瘍進展機構を新たに同定

IPMNは健診などで膵のう胞(液体が貯留した病変)として偶然見つかる膵臓癌のリスクとなる病変であり、近年患者数が増えています。患者由来の生きたIPMN培養モデルを世界に先駆けて構築し、先進的なゲノム・エピゲノム解析を統合駆使することで、(1)IPMNが進展する初期の段階から特有のエピゲノム制御機構が疾患を形成していること、(2)その責任分子としてMNX1・HNF1Bを同定し、IPMNの新たな治療標的となる可能性を発見しました。
有機化学・薬学

血液がん治療薬をがん免疫療法薬として新たに展開~抗CCR4抗体(モガムリズマブ)を用いた新規免疫療法の可能性を示唆~

血液がんの治療に使用される分子標的薬の抗CCR4モノクローナル抗体(モガムリズマブ)を、固形がん患者さんに対しては規定の投与量より減らし適正化することで、新たな免疫療法(併用療法)として治療の奏効が期待できることを見出しました。
有機化学・薬学

がんの多剤排出の原因となっているABCトランスポーターの立体構造をSACLAのX線自由電子レーザーを用いて決定

SACLAの非常に強力なX線自由電子レーザー(XFEL)を用いたシリアルフェムト秒構造解析(SFX)により、様々ながんにおける多剤耐性の原因であり、医薬学研究において重要なABCトランスポーターの立体構造を2.22Åの高分解能で決定することに成功しました。
細胞遺伝子工学

SARS-CoV-2ラムダ株のウイルス学的・免疫学的性状の解明

新型コロナウイルスの「注視すべき変異株(VOI:variant of interest)」のひとつである「ラムダ株(C.37系統)」が、従来株に比べて感染力が高いこと、そしてその高い感染力は、ラムダ株のスパイクタンパク質特有の、T76IとL452Qというふたつの変異によって規定されていることを明らかにしました。
生物化学工学

葉緑体タンパク質が働く場所を変化させ光合成の能力を柔軟に維持する仕組みを発見

微細藻の一種でモデル緑藻として知られるクラミドモナスを用いて、培地中のCO2濃度を測定しながら様々な培養条件におけるLCIBの局在変化を調べました。葉緑体のタンパク質がCO2の濃度変化を受けて働く場所を変化させ、光合成の能力を柔軟に維持する仕組みを発見しました。
医療・健康

日本人でも急性期脳梗塞の発症24時間までの カテーテルを用いた脳血管内治療に灌流画像が有用

急性期脳梗塞を発症し造影剤を使用した灌流画像検査の結果から治療適応を判断して、6時間以内と、6-24時間にカテーテルを用いた脳血管内治療(機械的血栓回収療法)を受けた場合、両グループに臨床転帰の有意差がないことを報告しました。
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