2022-01

医療・健康

不整脈源性心筋症の病態(心筋収縮力の低下、デスモゾーム形成異常)をヒトiPS細胞由来分化心筋細胞により解明

PKP2(プラコフィリン2)変異により発症する不整脈源性心筋症症例から作製したヒトiPS細胞由来分化心筋細胞を用いてヒト疾患モデルを確立し、PKP2遺伝子変異がデスモゾーム(介在板)形成異常に関与することを見いだした。アデノ随伴ウイルスを用いたPKP2遺伝子補充により、細胞と細胞をつなぐデスモゾームが回復する過程を可視化し、心筋細胞の収縮力が改善することを明らかにした。
生物化学工学

植物のCDKAが太陽光の情報を伝達していることを発見

コケ植物を用いて細胞分裂に重要なタンパク質の新たな機能を発見することに成功しました。細胞分裂に関与する重要なタンパク質が,光合成や光屈性などの光応答にも重要であることを発見。このタンパク質は細胞骨格を制御することにより光応答も制御していることを解明。植物の光応答における受容体から細胞骨格までの未知の情報伝達経路の一部を解明。
生物化学工学

虫の飛行を司令する細胞を発見

モデル生物であるショウジョウバエにおいて、動物行動学と光遺伝学の手法を用いることで、昆虫脳において、飛行を司令する一群の神経細胞群を特定しました。動物の飛行を司令する脳経路を特定した初めての報告となります。
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医療・健康

日本人でも急性期脳梗塞の発症24時間までのカテーテルを用いた脳血管内治療に灌流画像が有用

急性期脳梗塞を発症し造影剤を使用した灌流画像検査の結果から治療適応を判断して、6時間以内と、6-24時間にカテーテルを用いた脳血管内治療(機械的血栓回収療法)を受けた場合、両グループに臨床転帰の有意差がないことを報告しました。
医療・健康

肝転移病変における免疫チェックポイント阻害薬に対する新規耐性メカニズムの解明

がん組織に存在する制御性T細胞のPD-1タンパク質の発現によって、免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1阻害薬)の治療耐性が生じることが明らかとなりました。がん組織内の制御性T細胞はPD-1タンパク質を高発現することで治療耐性を引き起こし、組織内の乳酸により、このPD-1発現が誘導されることを新たに発見しました。乳酸を多く産生する肝転移病変などにおいて、免疫チェックポイント阻害薬に耐性化している機序に関与している可能性が示されました。臨床の場で抗PD-1抗体治療によって肝臓転移巣がむしろ増悪することがあることが知られていましたが、その原因の一部が明らかになったと考えられます。
医療・健康

B型肝炎ウイルスの複製を抑制する宿主防御メカニズムを分子レベルで解明~ウイルスタンパク質の排除にオートファジーが関わる~

B型肝炎ウイルス(HBV)感染細胞におけるウイルスの増殖抑制に、インターフェロン誘導性タンパク質であるガレクチン-9(GAL9)が関わっていることを発見しました。GAL9は、HBVタンパク質をオートファジーと呼ばれる仕組みで分解するユニークな因子です。
有機化学・薬学

新型コロナウイルス変異株・オミクロン株に対する治療薬の効果を検証

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬が、オミクロン株の培養細胞における感染や増殖を阻害するかどうかを解析した。抗体薬のチキサゲビマブ・シルガビマブとソトロビマブは、オミクロン株の感染を阻害することが示された。抗ウイルス薬のレムデシビル、モルヌピラビルは、オミクロン株の増殖を抑制することが示された。
生物工学一般

サルより遅いヒトの脳処理~進化するほど脳の回転は遅くなる!?~

霊長類の進化では、ヒトの脳処理が遅くなったことが、世界で初めて明らかになりました。ヒトやチンパンジーを含む霊長類4種の脳波を計測し、大脳が音を処理する速さを比較しました。音の始まりを大脳が分析したことを示すN1という脳応答のタイミングが、ヒトで最も遅かったことがわかりました。
医療・健康

都市部地域住民における軽度の高血圧性網膜症と循環器病発症リスクとの関連

都市部地域住民を対象とした吹田研究を用い、軽度の高血圧性網膜症とその後の循環器病発症リスクとの関連について検討しました。
有機化学・薬学

痛みを感じる神経が構築される分子メカニズムを解明 〜手足や腰の痛みの新たな治療法開発に期待〜

末梢神経の成熟過程において神経組織の形態変化を調節する中核分子であるサイトヘジン2が、腰や手足の痛みを感じる神経(末梢神経)をつくる過程に関与することを明らかにし、その分子が制御される仕組みを解明しました。
有機化学・薬学

排尿障害治療剤ハルナールの医薬有効成分タムスロシンの連続合成を達成

尿路結石や前立腺肥大症に対して用いられる排尿障害治療剤(商品名:ハルナール)の医薬有効成分であるタムスロシンの連続合成を達成した。
有機化学・薬学

腸と皮膚の新たなクロストーク:腸内細菌叢を変えて皮膚の健康に影響を及ぼす脂質分解酵素の発見

腸管内腔に分泌されるリン脂質分解酵素の一つであるIIA型分泌性ホスホリパーゼA2(sPLA2-IIA)が、腸内細菌叢のバランスを変えることによって、皮膚がんや乾癬などの皮膚疾患に影響を及ぼすことを発見しました。
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