2022-02

医療・健康

成熟膵島細胞を増やすことに成功 ~糖尿病の根治に向け、新たな再生治療法の可能性を発表~

成熟した膵島細胞は自己複製能を持たず、その機能低下が糖尿病の原因となっています。出生前後に増殖する膵島細胞でMYCL遺伝子が発現し、MYCLを働かせると成熟した膵島β細胞に活発な自己増殖が誘発できることを 見出しました。体内でMYCLを発現誘導する、あるいはMYCLにより試験管内で増幅させた膵島細胞を移植することで、モデルマウスの糖尿病を治療できることを示しました。
有機化学・薬学

シグナル伝達の「偏り」を生み出すリン酸化機構の解明 〜副作用を切り分けたGPCR作動薬の開発に貢献〜

薬剤の主要な作用標的であるGタンパク質共役型受容体(GPCR)の機能を調節する因子のGPCRキナーゼ(GRK)について、その活性制御機構を明らかにしました。降圧薬の標的として知られる1型アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)に関して、薬理作用の異なる作動薬が、別々のGRK選択性とβアレスチン機能を誘導することを見出しました。GPCRに作用する薬剤について、副作用が少なく安全性の高い創薬開発戦略を提示します。
医療・健康

男性腹圧性尿失禁治療に関する医療機器の国内承認取得のお知らせ

サイトリが開発した高度管理医療機器であるセルーション セルセラピーキット SUIについて、男性腹圧性尿失禁治療のための医療機器として、国内製造販売承認を取得しました。
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有機化学・薬学

6型コラーゲン欠損筋ジストロフィーに対する細胞治療法の開発

6型コラーゲンが欠損して発症する筋ジストロフィー:ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー(UCMD)のマウスモデルにiPS細胞由来間葉系間質細胞(iMSC)を全身投与したところ、細胞組織の病態の改善および運動機能の改善を確認できた。細胞組織における病態の改善は、iMSC移植による筋再生の促進、筋細胞のアポトーシス注3)抑制、ミトコンドリア異常の改善が寄与していることを見出した。
医療・健康

ダチョウ抗体を担持させた不織布マスクで 新型コロナウイルスオミクロン株の可視化も確認

ダチョウ抗体を担持させた口元フィルター入りの不織布マスク(「ダチョウ抗体担持マスク」)で呼気からのSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の可視化に成功したことを発表しました。オミクロン株感染者が使用したダチョウ抗体担持マスク(臨床検体)での可視化の検証を進め、オミクロン株の可視化が確認されました。
生物化学工学

孤独を感じ仲間を求める脳内回路~親和的社会性に重要な分子と神経回路の発見~

雌マウスが孤独を感じ仲間を求める行動に重要な分子神経機構を発見しました。孤立状態を感知し、仲間と一緒にいようとする雌マウスの親和的社会行動は、cMPOAのアミリンとCalcrとの結合によって制御されていることが分かりました。
細胞遺伝子工学

マウスの着床期の胚発生を三次元で再現することに成功~胚発生中の細胞の振る舞いをかつてない精度で解明~

着床期のマウス胚発生を研究するための新しい三次元培養系を開発し、着床期の胚に内在する組織間の相互作用を見出しました。既存の二次元上での胚培養における問題点を克服し、着床期のマウスの胚発生を三次元下で再現することに成功しました。この培養系を倒立型光シート顕微鏡によるライブイメージングと組み合わせ、胚発生中の細胞ダイナミクスを明らかにしました。
細胞遺伝子工学

CDH18は胎児期の心外膜細胞の指標であり胎児心外膜から平滑筋細胞の分化を制御している

心筋の修復や再生を担う細胞の供給源である心外膜細胞を、iPS細胞から作製し、その細胞表面タンパク質であるCDH18が心外膜細胞の特徴的なマーカータンパク質であることを突き止めました。また、CDH18が心外膜細胞から平滑筋細胞への分化を制御するなど、その重要性を明らかにしました。
有機化学・薬学

新規抗ウイルス抗体の創出に成功~変異型を含む広域コロナ属ウイルスの治療薬として期待~

新型コロナウイルスを含む近縁コロナウイルスに関する新規抗ウイルス抗体の同定に成功しました。この抗体は、ウイルス粒子そのものではなく、ウイルスの供給元となる感染後の細胞を標的とし、感染者の免疫応答をサポートして、新型コロナウイルスに感染した細胞のみを特異的に排除します。また、他の多くの抗体医薬とは異なり、変異が入りにくい部位を標的とし、オミクロン株を含む種々の変異株に反応します。
生物化学工学

最適な根の長さとは~植物が環境に応じて根の長さを決める仕組み~

「小胞体ストレス応答(UPR)」と呼ばれる細胞内恒常性の維持機構が欠損したシロイヌナズナの変異株(bz1728)が示す、著しい根の伸長阻害を回復した突然変異体nobiro6株の分子遺伝学的解析を行いました。伸長回復は基本転写因子複合体の構成因子「TAF12b」の機能欠損によることが明らかになりました。
有機化学・薬学

がん細胞のフェロトーシスを増強する化合物を発見~フェロトーシス抑制タンパク質FSP1に対する新しい阻害剤~

「フェロトーシス」と呼ばれる制御された細胞死を増強する新しい化合物を発見しました。フェロトーシスの分子メカニズムの解明や、薬剤耐性がんなどの疾患の治療法の開発に貢献すると期待できます。フェロトーシスは、がんをはじめとするさまざまな疾患と関連があります。特に、既存の抗がん剤に耐性を持つがんはフェロトーシスに対して感受性が高いことから、フェロトーシスの誘導が新たながん治療戦略として期待されています。
生物化学工学

チャネル(膜タンパク質)の開閉モデルの提唱~チャネルの通路を塞ぐ「脂質」が深く影響~

ATP(アデノシン三リン酸)放出チャネル(膜タンパク質)として知られるパネキシン1が、脂質に埋まった状態のクライオ電子顕微鏡構造を報告しました。ATPなどイオンよりも大きな分子を通すチャネルの開閉に、脂質が深く関わる可能性が示唆されました。
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