2022-02

医療・健康

うつ病の世界的負担を軽減するために一致団結した行動を~世界的医学雑誌ランセットが特集号~

神経科学からグローバルヘルスまで含む幅広い分野の世界11カ国25人の専門家とともに、うつ病の世界的負担を軽減するために一致団結した行動を呼びかける以下の宣言をまとめあげました。
生物化学工学

細菌感染で脳機能が変化する仕組みを解明~ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる~

脳内の免疫細胞であるミクログリアが大脳皮質前頭前野の神経活動を制御することを発見し、そのメカニズムを初めて明らかにしました。
生物工学一般

生物はどこまで賢く匂いを探索するのか?~ノイズに負けない探索戦略を紐解く新理論を構築~

生物が匂いの源を探索する際にとるべき最適な行動制御の原理を、生物に見られるノイズや非線形性を考慮した上で扱える理論を構築した。構築した理論が実際の生物の探索行動を理解する上で役立つことを、大腸菌の嗅覚・運動制御系を例に示した。
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有機化学・薬学

パンデミック初期のSARS-CoV-2株感染によって誘導された免疫は、 長期にわたって維持され、デルタ株による再感染を防御する

mRNAワクチンの被接種者血清のデルタ株に対する中和活性は、従来株に対する活性よりも低かった。従来株の感染から回復し、長期間経過したハムスターは、デルタ株の再感染に対しても従来株に対してと同等の抵抗性を示すことが明らかとなった。また、このハムスターにデルタ株を再感染させたところ、同個体から別の個体へのウイルス飛沫伝播は認められなかった。従来株の感染によって誘導された免疫は、長期にわたり記憶され、変異株に対する感染防御に寄与することが明らかとなった。
生物化学工学

昆虫ホルモンの生合成を撹乱する蚊の発育阻害剤の発見~環境に優しい農薬の開発に向けて~

既存の殺蚊剤に対して抵抗性を示す蚊の出現が確認されています。そのため、単一の薬剤に過剰に頼るのではなく、作用機序の異なる複数の薬剤をローテーションして使用することで、薬剤抵抗性の出現を回避する戦略が不可欠です。デング熱、黄熱、ジカウイルス感染症を媒介するネッタイシマカ由来のNoppera-boの活性を阻害する薬剤を探索しました。その結果、植物の二次代謝物としてよく知られるフラボノイド化合物であるデスメチルグリシテインが極めて有効であることを発見し、さらにX線結晶構造解析注2)によって分子レベルでの作用機序の解明に成功しました。
細胞遺伝子工学

植物ゲノムに不活性領域を作り出す機構

シロイヌナズナという植物の変異体を用いた研究の結果、DNAメチル化の間の局所的な正のフィードバックと、ゲノム全体での負のフィードバックを見出した。この両方の経路により、働くべき遺伝子を働かせながら、不活化領域に限定した抑制が可能となり、ゲノムの不安定化を防いでいると考えられる。
生物工学一般

脳の神経活動を可視化する新規マウス系統を開発

高感度・高速カルシウムセンサーを安定して発現する遺伝子改変マウスの開発に成功しました。正確な神経活動の計測を実現するため、高感度・高速カルシウムセンサー(G-CaMP9a)の開発と、この新規センサーを細胞種特異的に発現誘導可能な遺伝子改変マウス(G-CaMP9aノックインマウスの作製をおこないました。2光子励起顕微鏡注2を用いた生体イメージングにより神経細胞の活動を観察したところ、このマウスは感覚刺激に対する神経細胞の応答をより正確に検出できることが明らかとなりました。
医療・健康

世界初、「免罪符型」健康食品CMが「不健康な行動をしても良い」と誤った認識を誘発することを実証

健康食品の「免罪符型」広告が、視聴者に及ぼす影響を評価することを目的としてランダム化比較研究を実施した。「免罪符型」の健康食品の動画広告の閲覧によって、視聴者の「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という認識が強まることが実証された。
医療・健康

新たなイントラクライン機構を用いた加齢性眼疾患治療へ~眼局所のホルモンの加齢変化とサーカディアンリズムが鍵~

加齢によって生じるドライアイの原因疾患に対し、眼局所のホルモンを制御するイントラクライン機構の発見という独自の新所見に基づいた、新たな作用機序の治療アプローチを見出すことに成功しました。このイントラクライン機構を眼のまぶたのマイボーム腺に見つけ、そのホルモン合成酵素の解明に基づいた補酵素点眼療法により、高齢者のドライアイの主原因となる同腺機能不全を改善できることを明らかにしました。マイボーム腺の機能には顕著な日周リズム(サーカディアンリズム)があり、酵素の活性ピーク時刻を狙った投薬が最も有効であることも明らかにしました。
医療・健康

リン酸化酵素・γ型プロテインキナーゼCが運動制御に 重要な役割を果たすことを解明

成熟期の小脳プルキンエ細胞に存在するプロテインキナーゼCγ(PKCγ)が協調運動の制御に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。PKCγはBKチャネルの機能を抑えることで、樹状突起を信号が伝わりやすくすること、その結果、小脳皮質からの出力信号が大きくなり、滑らかな(協調)運動が可能になることが明らかになりました。
生物化学工学

土壌から吸収する? それとも 微生物からもらう?~硝酸イオン輸送からひもとくマメ科植物の窒素栄養獲得戦略~

マメ科のモデル植物ミヤコグサを用い、硝酸イオン輸送体の一つであるLjNRT2.1タンパク質が、硝酸イオンの量に応じた根粒共生の抑制制御を仲介する機能を持つことを明らかにしました。窒素栄養の獲得源を土壌から根粒にシフトする、根粒共生を行うマメ科植物ならではの生存戦略を示唆しています。環境に応じて器官形成や栄養の獲得様式を変化させるという植物の巧妙な生存戦略の一端が明らかになりました。
医療・健康

自己免疫疾患に対する新規治療法を発見

抑制性免疫補助受容体PD-1の機能制限を解除することによりPD-1の抑制機能を誘導することに成功しました。PD-1の抑制機能を誘導することにより、自己免疫疾患である関節リウマチ、多発性硬化症およびシェーグレン症候群の疾患モデルマウスを治療することに成功しました。
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