世界初のイネ根圏微生物叢の網羅的1細胞ゲノム解析に成功~コメ生産現場が抱える問題のデータベース化に向けて~

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2022-11-09 京都大学

青木 航 農学研究科助教、植田 充美 産官学連携本部特任教授、 間藤 徹 名誉教授、竹山 春子 早稲田大学先進理工学研究科教授、細川 正⼈ 同准教授、松田 修平 JST-COI-NEXT研究員らの共同研究グループは、微小なカプセルに微生物を閉じ込めて1細胞レベルでゲノムを解読する技術を活用し、宮内庁修学院離宮のイネの圃場を用いた実水田で、世界で初めて、イネの根圏微生物叢のゲノム情報を1細胞レベルで網羅的に明らかにすることに成功しました。本成果は、イネと微生物叢の相互作用を理解する上で必須のゲノムデータベースとなります。コロナ禍やウクライナ事件で、需要が伸びてきているものの、地球環境保全からは、水田からのメタンガス放出による温暖化への影響など、地球上でのコメ生産における研究の重要性は増してきています。将来的には、イネの生育を促進する微生物叢デザインや、水田からのメタン発生を抑制するための微生物叢デザインなど、持続可能な農業の実現に向けて大きく貢献すると期待されます。

本成果は、2022年11月3日(現地時刻)に国際学術誌「Frontiers in Microbiology」にオンライン掲載されました。

世界初のイネ根圏微生物叢の網羅的1細胞ゲノム解析に成功~コメ生産現場が抱える問題のデータベース化に向けて~
取得された微生物叢ゲノムの系統樹

研究者のコメント

イネは人類にとって最も重要な作物のひとつであり、コメとしての食糧供給の持続可能な社会を構築する上で、より低い環境負荷でイネを栽培できるようにすることが重要です。我々は、イネ根圏の微生物叢のゲノム情報を1細胞レベルで網羅的に明らかにすることに成功しました。このゲノムデータベースを拡張・利用することで、イネの栽培に資する有用微生物叢の発見・応用を加速させると期待されます。(青木 航)

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:青木 航
研究者名:植田 充美

細胞遺伝子工学
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