モデル生物・ミジンコの雌雄が切り替わる要因の一端を明らかに! 性差を示す遺伝子アイソフォームを発見 ~将来的なエビ・カニなどへの単性養殖技術の開発・応用に期待~

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2024-05-17 国立遺伝学研究所

大阪大学大学院工学研究科の加藤泰彦准教授、渡邉肇教授らの研究グループは、情報・システム研究機構国立遺伝学研究所の豊田敦特任教授、東京大学新領域創成科学研究科のニッタ ジョエル特任助教(現在千葉大学国際学術研究院・准教授)、岩崎渉教授との共同研究において、環境に応じて雌雄を生み分けるミジンコの転写産物をロングリードシーケンス法により解析し、各遺伝子のアイソフォームの多様性、またその性差を明らかにしました。

これまでミジンコの遺伝子発現解析は、遺伝子アイソフォーム毎にはなされてきませんでしたが、今回の解析では、各遺伝子アイソフォームの全長の配列決定を行いました。結果、解析した遺伝子の半数以上が複数のアイソフォームを合成することを見出しました。さらに、遺伝子によっては性差を示すアイソフォームを発現していることを突き止めました。本研究で新たに見出されたアイソフォームの機能解析を行うことで、ミジンコが環境に応じて雌雄を切り替えられる機構の解明に迫ることが期待されます。

なお、本研究は、JSPS 科学研究費 基盤研究(B) 21H03602、挑戦的研究(萌芽) 21K19298の助成、文部科学省 学術変革領域研究(A)「非ドメイン型バイオポリマーの生物学:生物の柔軟な機能獲得戦略」(領域代表:中川真一)22H05598、 学術変革領域研究(A)「性スペクトラム – 連続する表現型としての雌雄」(領域代表:立花誠)20H04923、18H04884の助成、及び「先進ゲノム支援(PAGS)」16H06279の支援を受けて行われました。

本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、4月30日(火)に公開されました。

モデル生物・ミジンコの雌雄が切り替わる要因の一端を明らかに! 性差を示す遺伝子アイソフォームを発見 ~将来的なエビ・カニなどへの単性養殖技術の開発・応用に期待~

図: 環境に応じて雌雄を生み分けるミジンコ


Identification of gene isoforms and their switching events between male and female embryos of the parthenogenetic crustacean Daphnia magna

Yasuhiko Kato, Joel H. Nitta, Christelle Alexa Garcia Perez, Nikko Adhitama, Pijar Religia, Atsushi Toyoda, Wataru Iwasaki, Hajime Watanabe

Scientifc Reports (2024) 14, 9407 DOI:10.1038/s41598-024-59774-1

プレスリリース資料

生物化学工学
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