中央アルプスと伊勢で発見された白いタヌキの体色変異の原因を解明

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アルビノ遺伝子の哺乳類における広域拡散の初事例

2021-03-08 京都大学

古賀章彦 霊長類研究所教授らの研究グループは、中央アルプスと伊勢で発見された白いタヌキの体色変異の原因を、遺伝子解析により明らかにしました。

中央アルプス山麓で数十年前から、白いタヌキが頻繁に目撃されています。古賀教授らは、2017年1月に長野県飯田市で害獣防除の捕獲器に入った白タヌキの遺伝子を分析した結果、メラニン色素の合成を司るチロシナーゼ遺伝子が変化しているために、このようなアルビノ表現型のタヌキが生まれることを明らかにしました。また、2014年に、これとは別に白いタヌキが三重県の松阪でみつかりました。交通事故にあった個体であり、大内山動物園(三重県度会郡)で治療を受けて暮らしています。古賀教授らがこのタヌキの体色変異の原因を調べたところ、長野県の飯田の白タヌキと同様に、チロシナーゼ遺伝子の変化が原因となっていることが判明しました。飯田と松阪は、直線距離で170 kmほど離れています。原因遺伝子がどこで生じたのかは不明ですが、その遺伝子が代々受け継がれて長距離を移動し、飯田と松阪に達したことになります。これは、アルビノ体色をもたらす遺伝子の、哺乳類での広域拡散の、初めての事例となります。一般にこの体色変異は、自然での生存に不利となります。それにもかかわらずタヌキで長期間に渡り維持されたのには、タヌキ特有の原因がある可能性を示唆しています。都市の環境に適応することで、タヌキ個体間の生存競争が緩んだという可能性が考えられます。

本研究成果は、2021年3月6日に、国際学術誌「Genes & Genetic Systems」のオンライン版に掲載されました。

飯田市で害獣防除の捕獲器に入ったタヌキの「リュウ」(写真提供:古賀章彦)
図:飯田市で害獣防除の捕獲器に入ったタヌキの「リュウ」(写真提供:古賀章彦)

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:古賀章彦

メディア掲載情報
産経新聞(3月6日夕刊 7面)および中日新聞(3月6日夕刊 6面)に掲載されました。

生物化学工学
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