真骨魚類における発生シークエンスの進化的特徴の解明

ad
ad

2019-05-09 国立遺伝学研究所

Frequent nonrandom shifts in the temporal sequence of developmental landmark events during teleost evolutionary diversification

Fumihiro Ito, Tomotaka Matsumoto, Tatsumi Hirata

Evolution & Development 18 April 2019 DOI:10.1111/ede.12288

生物の発生は、時間経過に伴って起こる形態変化(発生イベント)の積み重ねとして記載される。この発生イベントの起こる順番(発生シークエンス)は同一種内でよく保存されていることから、発生シークエンスの変化は、形態進化や環境適応など、生物学的意義があると考えられる。

本研究では、様々な水中環境へ適応し、多様な形態を示す真骨魚類を解析対象とし、発生シークエンスの進化的特徴を明らかにした。解析には、胚発生過程が詳細に記載されている30種の真骨魚類で共通して観察され、かつ、幅広く体全体の発生をカバーすることのできる19種の発生イベントを用いた。2通りの最節約法を用いて祖先推定をし、系統比較解析を行った結果、共通の発生イベントからなるシークエンスは系統内で多様化しており、その進化過程において(1)発生イベントごとに変化の度合いが異なること、(2)隣接した順位のイベント間でより頻繁に入れ替わりが起こること、また(3)分岐年代に依存して変化が蓄積する傾向があることが示された。本研究の結果は、進化はどのような特徴を伴って進行するのかという問いの理解に繋がることが期待される。

本研究は、哺乳動物遺伝研究室博士課程に在籍していた伊藤史博博士、進化遺伝研究室の松本知高助教、脳機能研究室の平田たつみ教授の共同研究として、進化発生学の専門誌Evolution & Developmentに掲載されました。

Figure1

図:Event-pairing法による祖先推定に基づいた真骨魚類の進化過程におけるイベントごとの発生シークエンス変化量(A)と発生シークエンスの変化と分岐年代との関係(B)。

タイトルとURLをコピーしました