細菌感染で脳機能が変化する仕組みを解明~ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる~

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2022-02-17 京都大学

山脇優輝 医学研究科博士課程学生、和田弥生 同博士後期研究員、大槻元 特定教授、松井茶恵 医学部生らの研究グループは、脳内の免疫細胞であるミクログリアが大脳皮質前頭前野の神経活動を制御することを発見し、そのメカニズムを初めて明らかにしました。

脳内の神経活動の異常は多くの精神疾患で知られていますが、その詳細なメカニズムは明らかではありませんでした。今回の研究では、パッチクランプ法を用いて、脳内の炎症が前頭前野の神経細胞の活動に与える影響を観察しました。その結果、大脳皮質前頭前野で炎症を誘導時、活性化したミクログリアが神経細胞の可塑性と呼ばれる現象を介して、神経活動を低下させることがわかりました。また、ミクログリアの活性化を抑制することで、低下した神経活動が回復することと、そのメカニズムを明らかにしました。

近年、うつ病などの精神疾患は前頭前野を含む脳内の異常免疫が示されているため、今後ミクログリアを介した神経活動の制御は精神疾患の予防法・治療法につながる可能性があります。

本研究成果は、2022年2月5日に、国際学術誌「Current Research in Neurobiology」にオンライン掲載されました。

細菌感染で脳機能が変化する仕組みを解明~ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる~図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:大槻元

生物化学工学
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