認知症の病因「タウタンパク質」が脳から除去されるメカニズムを解明

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脳内のグリアリンパ系がタウを押し流すことを発見

2022-02-28 東京大学

超高齢化を迎える現代社会において、認知症の克服は喫緊の課題です。タウは、アルツハイマー病をはじめとする様々な神経変性疾患で脳に蓄積して、神経細胞の死を招く、認知症の原因となるタンパク質です。しかしながらタウの蓄積を防止することにより神経細胞死を食い止める治療法は、これまでに開発されていませんでした。

東京大学大学院医学系研究科の石田 和久特任研究員、山田 薫助教、岩坪 威教授らの研究グループは、タウが脳内から除去される仕組みを明らかにすることが認知症の発症予防に繋がると考え、脳の細胞外での体液の流れに着目しました。研究チームは、マウスを用いた実験で脳内の老廃物を除去するグリアリンパ系(グリンパティックシステム)の仕組みによって、タウタンパク質が脳内から脳脊髄液に移動し、その後、頚部のリンパ節を通って脳の外へ除去されていること、またこの過程にアクアポリン4というタンパク質が関与していることを明らかにしました。さらにアクアポリン4を欠損し、脳からのタウの除去が低下しているマウスでは、神経細胞内のタウ蓄積が増加し、神経細胞死も助長されることがわかりました。本研究は慶應義塾大学医学部の安井 正人教授、阿部 陽一郎講師との共同研究として行われました。

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