生物化学工学

生体から不良細胞を除去する「細胞競合」の仕組みの一端を解明 生物化学工学

生体から不良細胞を除去する「細胞競合」の仕組みの一端を解明

ショウジョウバエを用いて細胞競合を引き起こす遺伝子変異を探索した結果、小胞体ストレスを起こした細胞が細胞競合によって排除されることを見つけました。小胞体ストレスを起こした細胞では、小胞体ストレス応答の1つであるPERK-eIF2α経路が活性化することでタンパク質合成量が低下することが知られています。小胞体ストレスを起こしていなくても、転写因子Xrp1の発現量が増大した不良細胞ではPERK-eIF2α経路が活性化してタンパク質合成量が低下することがわかりました。生体内に生まれた不良細胞はXrp1タンパク質の発現量を増大することでPERK-eIF2α経路を介してタンパク質合成量を低下させ、これが目印となって近接する正常細胞によって排除されることが示唆されました。
口を使った細胞の移動 – アクチン波による細胞外形状情報の読み取り 生物化学工学

口を使った細胞の移動 – アクチン波による細胞外形状情報の読み取り

アメーバ細胞の変形を引き起こす、アクチン骨格系の進行波の生成と伝播が曲面上において特異なふるまいを示すことを観測と定量的な解析から明らかにした。細胞による地形感知のメカニズムとして、曲面上を進行する波のパターンとそれに付随して生じるカップ型の膜構造を介した、新たな機構を提唱した。地形感知の機構は、生体内など複雑な形状の足場における、細胞の変形や移動の仕組みの理解に資する。発表概要
細胞がグルコース代謝量を制御する巧妙な仕組み~細胞中のATP濃度に依存した酵素活性の新たな制御機構の解明~ 生物化学工学

細胞がグルコース代謝量を制御する巧妙な仕組み~細胞中のATP濃度に依存した酵素活性の新たな制御機構の解明~

グルコースからアデノシン三リン酸(ATP)を合成する解糖系酵素の一つであるホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)が、細胞内ATP濃度に応じてブドウ糖(グルコース)代謝量(解糖流量)を制御していることを発見しました。
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乳用牛の胃から、メタン産生抑制効果が期待される新規の細菌種を発見 生物化学工学

乳用牛の胃から、メタン産生抑制効果が期待される新規の細菌種を発見

乳用牛の第一胃から、プロピオン酸前駆物質を既知の近縁菌より多く産生する新種の嫌気性細菌を発見しました。牛の第一胃では、プロピオン酸が多く産生されると、メタン産生が抑制されることが知られています。本菌の機能を詳しく調べることで、牛のげっぷ由来のメタン排出削減に貢献すると期待されます。
脳は記憶を力で刻む ~シナプスの力と圧感覚による新しい伝達様式の発見~ 生物化学工学

脳は記憶を力で刻む ~シナプスの力と圧感覚による新しい伝達様式の発見~

長期記憶が形成される際、大脳のシナプスにおいて樹状突起スパインが増大することが知られていたが、このスパインの動きが、筋肉収縮と同程度の力でシナプス前部を押すことにより、伝達物質放出を増強する効果(圧感覚)を持つことを見いだした。シナプスにおける情報伝達様式として、化学伝達と電気伝達の2種類の様式が知られてきた。今回、スパイン増大と圧感覚を介した力学的伝達という新しい第3の様式を発見した。
人食いバクテリアを認識して免疫を活性化させる仕組みを解明 生物化学工学

人食いバクテリアを認識して免疫を活性化させる仕組みを解明

ヒトの細胞が人食いバクテリアとして知られるを見分けて分解する新たなメカニズムを明らかにしました。
クローン繁殖フナは稀に有性生殖をしながら繁栄~遺伝的に多様なクローンフナが存在する謎を解明~ 生物化学工学

クローン繁殖フナは稀に有性生殖をしながら繁栄~遺伝的に多様なクローンフナが存在する謎を解明~

雌だけで繁殖するフナの起源を明らかにし、またクローン繁殖であるにも関わらず、大きな遺伝的多様性をもつ理由を突き止めました。
細胞内へのポリアミン輸送メカニズムの解明 生物化学工学

細胞内へのポリアミン輸送メカニズムの解明

リソソーム内腔から細胞内へとポリアミンを輸送するATP13A2の立体構造を解明することに成功しました。ポリアミンを輸送する時のさまざまな状態の立体構造を捕らえ、ポリアミン輸送メカニズムを詳細に解明することに成功しました。ATP13A2の遺伝性変異がパーキンソン病に関与していることから、これらの疾患の理解につながることが期待されます。
タンパク質の連続的な合成を保証するリボソーム「トンネル」の役割を発見 生物化学工学

タンパク質の連続的な合成を保証するリボソーム「トンネル」の役割を発見

翻訳の連続性を破綻させる「リボソームの不安定化」現象について解析し、リボソーム内部の新生タンパク質(新生鎖と呼ぶ)の通り道(「トンネル」)と新生鎖間との相互作用が、翻訳破綻のリスクを抑制していることを見出した。
褐色脂肪組織に着目したとの新たな関連を解明 生物化学工学

褐色脂肪組織に着目したとの新たな関連を解明

食餌性肥満モデルマウスにおいて、Bacteroidesを投与することにより、褐色脂肪組織の分岐鎖アミノ酸代謝が亢進し、肥満が抑制された。
光で記憶を消去する ~よい記憶に睡眠が必要な理由を解明~ 生物化学工学

光で記憶を消去する ~よい記憶に睡眠が必要な理由を解明~

光を照射して記憶を消すことができるようになりました。イソギンチャク由来の光増感蛍光タンパク質を使って、シナプスのタンパク質を光照射により不活化することを試みました。このタンパク質は光を照射すると、活性酸素を放出し周囲のタンパク質を不活化します。この性質を利用すると、記憶を起こしたシナプスのみを消すことができました。
共生細菌のちからで害虫が農薬に強くなる助け合いの仕組みを解明~共生細菌による農薬解毒を宿主昆虫が助けていた~ 生物化学工学

共生細菌のちからで害虫が農薬に強くなる助け合いの仕組みを解明~共生細菌による農薬解毒を宿主昆虫が助けていた~

害虫が腸内の共生細菌との作用で農薬抵抗性を獲得する仕組みを初めて解明した。昆虫と共生細菌が助け合って農薬を解毒する仕組みを初めて解明。共生細菌の一つの遺伝子が、昆虫の農薬抵抗性に重要な因子であることを特定。
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