細胞遺伝子工学

外部から遺伝物質を持ち込まずにゲノムを改良する新技術「TAQing2.0」を開発 細胞遺伝子工学

外部から遺伝物質を持ち込まずにゲノムを改良する新技術「TAQing2.0」を開発

外部から遺伝物質を持ち込まずに生物のゲノムDNAを大規模に再編成し、生物機能の改良を加速する新技術「TAQing2.0」の開発に成功しました。細胞膜貫通ペプチドを用いてDNA切断活性をもつタンパク質を細胞内に導入し、大規模かつランダムにゲノム全体を再編成させることができます。生物の交配(有性生殖)が不能で通常の交配による育種が不可能な産業用微生物において、形質の効率的な改良が可能になりました。
植物ゲノムに不活性領域を作り出す機構 細胞遺伝子工学

植物ゲノムに不活性領域を作り出す機構

シロイヌナズナという植物の変異体を用いた研究の結果、DNAメチル化の間の局所的な正のフィードバックと、ゲノム全体での負のフィードバックを見出した。この両方の経路により、働くべき遺伝子を働かせながら、不活化領域に限定した抑制が可能となり、ゲノムの不安定化を防いでいると考えられる。
マウスの着床期の胚発生を三次元で再現することに成功~胚発生中の細胞の振る舞いをかつてない精度で解明~ 細胞遺伝子工学

マウスの着床期の胚発生を三次元で再現することに成功~胚発生中の細胞の振る舞いをかつてない精度で解明~

着床期のマウス胚発生を研究するための新しい三次元培養系を開発し、着床期の胚に内在する組織間の相互作用を見出しました。既存の二次元上での胚培養における問題点を克服し、着床期のマウスの胚発生を三次元下で再現することに成功しました。この培養系を倒立型光シート顕微鏡によるライブイメージングと組み合わせ、胚発生中の細胞ダイナミクスを明らかにしました。
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CDH18は胎児期の心外膜細胞の指標であり胎児心外膜から平滑筋細胞の分化を制御している 細胞遺伝子工学

CDH18は胎児期の心外膜細胞の指標であり胎児心外膜から平滑筋細胞の分化を制御している

心筋の修復や再生を担う細胞の供給源である心外膜細胞を、iPS細胞から作製し、その細胞表面タンパク質であるCDH18が心外膜細胞の特徴的なマーカータンパク質であることを突き止めました。また、CDH18が心外膜細胞から平滑筋細胞への分化を制御するなど、その重要性を明らかにしました。
移植したヒトiPS由来細胞を刺激することにより、脊髄損傷の治療効果改善に成功 細胞遺伝子工学

移植したヒトiPS由来細胞を刺激することにより、脊髄損傷の治療効果改善に成功

脊髄損傷マウスにヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を移植し、DREADDsと呼ばれる人工受容体技術を用いて、移植した細胞を刺激して移植細胞の活動性を繰り返し亢進させることで、脊髄損傷マウスの運動機能を回復させることに成功しました。
原始内胚葉幹細胞の樹立に成功~試験管内胚再構成の実現への第一歩~ 細胞遺伝子工学

原始内胚葉幹細胞の樹立に成功~試験管内胚再構成の実現への第一歩~

マウス胚盤胞を特殊な培地で培養することで、PrES細胞を樹立できることを発見しました。PrES細胞を胚盤胞に注入したところ、原始内胚葉に速やかに取り込まれ、卵黄嚢の派生に寄与することが分かりました。原始内胚葉を欠失させた胚盤胞にPrES細胞を注入し、偽妊娠マウスの子宮に移植したところ、全ての原始内胚葉系列の組織が派生し、正常な仔マウスが生まれました。PrES細胞、ES細胞、TS細胞を試験管内で組み合わせて作製したETP複合体を偽妊娠マウスの子宮へ移植した結果、一部が着床し、卵黄嚢様の組織に囲まれた幹細胞由来組織が派生しました。
ヒトサイズに近いバイオ人工肝臓を使った移植実験に世界で初めて成功~臓器再生医療の実現化を加速~ 細胞遺伝子工学

ヒトサイズに近いバイオ人工肝臓を使った移植実験に世界で初めて成功~臓器再生医療の実現化を加速~

動物の肝臓から主にコラーゲンなどの有効成分を残しバイオ臓器骨格を取り出す「脱細胞」という技術を応用して、世界で初めてヒトにも応用可能な大きさのバイオ人工肝臓を作製し、動物での移植を成功させました。このバイオ人工肝臓にはブタの細胞が使われており、慢性肝不全のブタに移植したところ、1ヶ月に渡って人工肝臓が機能し、肝障害の治療効果を示しました。
タンパク質の設計図を壊さないようにDNA切断を修復する新たな仕組みを発見 細胞遺伝子工学

タンパク質の設計図を壊さないようにDNA切断を修復する新たな仕組みを発見

タンパク質RAP80が、DNA修復中に形成された不安定なR-loop構造の崩壊を防ぐこと、さらにRAP80が機能しないと、不安定なR-loop構造の崩壊に伴ってタンパク質の設計図に異常が増えてしまうことを発見しました。RAP80によって保護されたR-loop構造は、BRCA1、Polθ、 LIG1/3を介してDNA切断を正確に修復することも明らかとなりました。
オペロン構造の進化過程の実証実験に成功 細胞遺伝子工学

オペロン構造の進化過程の実証実験に成功

原核生物のゲノムに普遍的な挿入配列と呼ばれる配列によって、オペロンを形成する進化が駆動されるとする新たな仮説を提唱しました。大腸菌を実験室で挿入配列の活性が高い条件で培養することで、仮説通りにオペロンが形成されうることを実証しました。今まで未知であった原核生物のオペロンの形成メカニズムの一つを、進化過程の観測によって初めて実証した研究です。
Pfs230マラリア伝搬阻止ワクチン効果発現に関わる抗原部位の発見 細胞遺伝子工学

Pfs230マラリア伝搬阻止ワクチン効果発現に関わる抗原部位の発見

マラリア伝搬阻止ワクチンPfs230の効果発現に関わる抗原部位を発見しました。PROSのグループが現在GHIT Fundから助成を得て前臨床開発を進めているPfs230伝搬阻止ワクチンの、効果発現に関わる主要な抗原部位を決定したもので、次世代マラリア伝搬阻止ワクチンの研究開発へ向けて、新しいページを画するものと期待されます。
シグナル伝達による多様な細胞応答の起源~実験と理論の融合による反応特性の決定~ 細胞遺伝子工学

シグナル伝達による多様な細胞応答の起源~実験と理論の融合による反応特性の決定~

細胞が外界のシグナル分子を受け取る受容体ERBBファミリー。ERBBの組成を様々に変えた細胞と複数のシグナル分子を用いた計測実験を行い、ERBBの可能な反応を全て取り込んだ数理モデルを適用することで、4種のERBBの反応の性質やシグナルによる反応の変化を初めて特定しました。さらに、数理解析を進め、応答の多様性に本質的な役割をになう反応を明らかにしました。
世界初!変異処理した植物から、直接、DNA に生じた突然変異を全検出~成熟前でもよい実をつける枝を選抜できる?新しい品種開発技術への展開に期待~ 細胞遺伝子工学

世界初!変異処理した植物から、直接、DNA に生じた突然変異を全検出~成熟前でもよい実をつける枝を選抜できる?新しい品種開発技術への展開に期待~

細胞に突然変異が起きているかを、赤色色素のある・なしで簡単に視覚的に識別する方法を開発しました。識別した突然変異を起こした細胞から、量子ビーム照射で生じた DNA の変異を、直接、網羅的に同定することに初めて成功しました。
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