2021-12

有機化学・薬学

世界初・日本発:ミトコンドリア病克服への第一歩~ミトコンドリア病治療薬MA-5の成人健常者を対象とした臨床試験を開始~

MA-5は、ミトコンドリア病注1患者さんの細胞や病態モデル動物で効果が確認されている画期的なミトコンドリア病治療薬候補化合物です。成人健常者56人を対象としてMA-5の経口投与を行う臨床試験を、AMEDムーンショット型研究開発事業注2の支援により開始します。この臨床試験は成人健常者を対象として行い、MA-5の安全性・体内動態を確認することを目的としています。
細胞遺伝子工学

がん細胞を長期間攻撃し続けられるT細胞の作製に成功~次世代型CAR-T細胞療法の開発へ向けて~

がんに対する免疫療法の一種であるCAR-T(カー・ティー)細胞療法について、CAR-T細胞の製造段階でPRDM1という遺伝子を欠失させることにより、体内で長期にわたり生き残ることを実験動物モデルで示しました。
生物環境工学

「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
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有機化学・薬学

ウコンに含まれる成分が腸内フローラを介して脳・脊髄の炎症を抑制

ウコンに含まれる「クルクミン」の構造を変化させたプロドラッグ型の化合物が、腸内フローラを変動させることで、脳や脊髄の炎症を抑制することを世界で初めて明らかにしました。
医療・健康

治療抵抗性統合失調症の診断により 治療抵抗性統合失調症薬クロザピンの処方率が向上

通常の薬剤の効果が認められない治療抵抗性統合失調症には、クロザピンが唯一の効果がある薬剤として各国のガイドラインで推奨されている。しかし、本邦ではクロザピンの処方率が諸外国と比較して著しく低い。医療施設によって治療抵抗性統合失調症の診断の検討についての退院サマリーへの記載率およびクロザピン処方率にばらつきがあり、記載率の高い施設ではクロザピンの処方率が高いことが明らかになった。
医療・健康

脂肪細胞が「できる・できない」を決めるエピゲノムを解明~タンパク質複合体の「いつ・どこに・どのように」が鍵~

体の中には脂肪細胞になる前の前駆脂肪細胞が存在し、前駆脂肪細胞から脂肪細胞が「できる・できない」を決めるエピゲノムの仕組みを解明しました。タンパク質複合体の「いつ・どこに・どのように」あるかが、脂肪を蓄える遺伝子の働きを調節していることが明らかとなりました。
細胞遺伝子工学

iPS細胞を用いた人工血小板の作製の効率化に成功 血小板のテイラーメイド医療に向けた一歩

ヒトiPS細胞から血小板を産生するための従来法よりも効率的な手法の開発に取り組みました。細胞の増殖を妨げるCDKN1Aとp53という2つの遺伝子の働きを抑えることで、高効率に血小板産生細胞を得られることが分かりました。従来の血小板輸血では治療が困難な血小板不応症の患者さんの治療にもつながることが期待されます。
細胞遺伝子工学

iPS細胞由来静止期肝星細胞を用いた肝線維症治療薬のスクリーニングモデルを開発

ヒトiPS細胞から作製した肝星細胞を用いて肝線維症治療薬のスクリーニングモデルを開発しました。蛍光量を指標に肝星細胞の活性化レベルを計測することが可能となり、肝線維症の病態を生体外で定量できるようになりました。
有機化学・薬学

振動分光法を駆使した薬剤効能測定法の開発~アセチルコリン受容体を標的とした神経疾患の治療薬開発への期待~

全反射赤外分光法でGタンパク質共役型受容体(GPCR)の一つ、ムスカリン性アセチルコリン受容体(M2R)に対する、異なる薬剤効能(ligand efficacy)を有する各種薬物結合に伴う構造変化を捉えることに成功しました。それぞれの赤外差スペクトルにおけるアミド-Iバンドの変化が各種薬物間で分類できる可能性を見出しました。細胞アッセイを用いたGタンパク質活性の大きさとアミド-Iバンドの変化との間に相関性があることがわかりました。
医療・健康

腸内細菌叢の状態を細胞画像から読み解く~深層学習を活用した新たな解析手法を開発~

糞便の顕微鏡画像を入力データとして深層学習に与えることで、糞便画像から腸内細菌叢の状態を推定する手法を開発しました。アンプリコンシーケンス解析によって得られた腸内細菌叢の組成比を、糞便画像から高精度で予測することに成功しました。
細胞遺伝子工学

生命誕生初期のタンパク質を再現する試み~7種類のアミノ酸で古代タンパク質は創れる~

原始的なタンパク質構造と考えられているDouble-psi-beta-barrel(DPBB)の誕生・進化過程を実験的に再現しました。現在の生物が持つDPBBの構造および配列情報を基に祖先の配列を推定し、古代に存在したと考えられるDPBBを再構成したところ、最も単純な古代DPBB構造は7種類のアミノ酸50個程度からなる短いペプチド配列で成立することが分かりました。これら7種のアミノ酸はコドン表においてまとまった位置に局在しており、太古の原始的なタンパク質合成システムによってDPBBが生産されていた可能性が示されました。
医療・健康

アストロサイトが担うシナプス制御メカニズムを発見~GluN2C-NMDA受容体がシナプス強度分布幅を拡大する~

脳内のアストロサイトに発現するグルタミン酸受容体の一つであるGluN2C-NMDA受容体が、海馬の神経細胞間の情報の伝わりやすさを調整することを発見しました。
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