2022-08-09 新潟大学
本学自然科学系(農学部)の深井英吾准教授、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の吉川学博士、デンマーク・オーフス大学、かずさDNA研究所、国立遺伝学研究所、理化学研究所らの研究グループは、植物の交雑にともなってトランスポゾン(動くDNA配列)が活性化し動くことを、マメ科のモデル植物(注1)であるミヤコグサを用いて明らかにしました。交雑は、両親が持っている遺伝情報をシャッフルし、新しい組み合わせを子孫に提供するとともに、トランスポゾンを活性化させ、新しい変異(mutation(ミューテーション))を生じる機会としての意義を持つことが示唆されました。
本研究成果のポイント
- 近縁系統同士の交雑で複数のトランスポゾンが活性化されることを明らかにしました。
- トランスポゾンが動くことにより、交雑両親が持たない新しい変異(mutation(ミューテーション))が遺伝子に生じることが分かりました。
【用語解説】
(注1)モデル植物:普遍的な生命現象の研究に使われる生物をモデル生物と言いますが、植物のモデル生物をモデル植物と言います。シロイヌナズナはモデル植物として有名です。
論文情報
【掲載誌】The Plant Journal
【論文タイトル】Widespread and transgenerational retrotransposon activation in inter- and intraspecies recombinant inbred populations of Lotus japonicus
【著者】Eigo Fukai, Manabu Yoshikawa, Niraj Shah, Niels Sandal, Akio Miyao, Seijiro Ono, Hideki Hirakawa, Turgut Yigit Akyol, Yosuke Umehara, Ken-Ichi Nonomura, Jens Stougaard, Hirohiko Hirochika, Makoto Hayashi, Shusei Sato, Stig Uggerhøj Andersen, Keiichi Okazaki
【doi】10.1111/tpj.15896
本件に関するお問い合わせ先
広報室