肝臓の細胞膜から重要な栄養素コリンを取り出す仕組みを発見

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2023-02-02 東京大学,東京都医学総合研究所,日本医療研究開発機構

1.発表者:
村上 誠(東京大学大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター 健康環境医工学部門教授)
平林 哲也(東京都医学総合研究所 細胞膜研究室 主席研究員)

2.発表のポイント:
◆肝臓の細胞膜リン脂質から必須栄養素であるコリンを取り出す新たな代謝経路を発見しました。
◆リン脂質分解酵素である PNPLA7 または PNPLA8 の欠損により、肝臓の遊離型コリンが減少するとともに、コリンのメチル基を利用したメチオニンの再生が低下することで、コリンとメチオニンの欠乏症によく似た症状を発症することを明らかにしました。
◆本研究の成果により、コリンやメチル基の不足によって起きる疾患の病態解明と、これらの脂質分解酵素を標的とした新規治療法の開発が期待されます。

3.発表概要:
東京大学大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター 健康環境医工学部門の村上誠教授、東京都医学総合研究所 細胞膜研究室の平林哲也主席研究員らの研究グループは、慶應義塾大学、昭和大学などと共同で、「肝臓のリン脂質に貯蔵されるコリン(注1)を取り出す新たな代謝経路」を発見しました。コリンは、発育、肝機能、認知機能、中性脂質の輸送などに重要な栄養素であり、肝臓において必須アミノ酸のメチオニンの再生にも利用されます。本研究成果は、コリンを体内でリサイクルする仕組みとその意義を解明した画期的な成果であることから、米国の医学・生物学を扱うセル出版(Cell Press)が発行する学術雑誌『Cell Reports(セル・リポーツ)』のオンライン版に 2023 年 1 月 30 日(米国東部時間)に公開されました。

詳しい資料は≫

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