2026-05-27 東京大学
東京大学などの研究グループは、頭蓋内非前庭神経鞘腫32例を対象に、全エクソーム解析、RNAシークエンス解析、DNAメチル化解析、単一細胞RNAシークエンス解析を組み合わせたマルチオミクス解析を実施し、これまで頭蓋内神経鞘腫で未報告だった融合遺伝子「TANC1::HTRA1」と「KPNA4::WWTR1」を同定した。融合遺伝子陽性腫瘍では、従来知られていた神経鞘腫関連遺伝子異常が認められず、既存分類とは異なる新たな分子サブタイプの存在が示唆された。今回の成果により、頭蓋内非前庭神経鞘腫の発生メカニズム理解が進むとともに、将来的な分子診断や患者層別化、分子標的治療開発への応用が期待される。特に、複数のオミクス解析を統合したアプローチが、腫瘍の分子多様性解明に有効であることを示した点も重要である。

本研究で同定した2つの融合遺伝子
<関連情報>
- https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/20260527.html
- https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2026/05/27/release_20260527.pdf
- https://link.springer.com/article/10.1007/s00401-026-03032-3
非前庭性頭蓋内神経鞘腫におけるTANC1::HTRA1およびKPNA4::WWTR1融合遺伝子
TANC1::HTRA1 and KPNA4::WWTR1 fusions in non-vestibular intracranial schwannomas
Takahiro Tsuchiya,Satoru Miyawaki,Yudai Hirano,Yu Sakai,Kenta Ohara,Yohei Inoue,Daisuke Komura,Aya Shinozaki-Ushiku,Shotaro Ogawa,Daisuke Sato,Hiroki Hongo,So Hirata,Yu Teranishi,Hideaki Ono,Yoshihiro Otani,Hirokazu Takami,Tetsuo Ushiku,Shumpei Ishikawa,Shota Tanaka,Koichi Ichimura & Nobuhito Saito
Acta Neuropathologica Published:27 May 2026
DOI:https://doi.org/10.1007/s00401-026-03032-3

