耐性菌流行下、生後2か月未満の重症百日咳患者を、ST合剤で治療~乳児を守る”母体ワクチン”の必要性を示唆~

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2026-07-14 国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センターの研究グループは、マクロライド耐性百日咳菌(MRBP)の流行下で、生後2か月未満の重症百日咳乳児6例(新生児2例を含む)に対し、通常はこの年齢では禁忌とされるST合剤(トリメトプリム・スルファメトキサゾール)を慎重な管理のもとで投与した症例を報告した。全例が14日間の治療を完遂して回復・退院し、懸念されていたビリルビン脳症などの重篤な副作用は認められなかった。症例数は少なく安全性・有効性を確定するものではないが、耐性菌流行時の重要な治療選択肢となる可能性が示された。一方、接種歴を確認できた母親5人はいずれも妊娠中の百日咳含有ワクチンを接種しておらず、情報不足やワクチン供給体制の課題が背景として挙げられた。研究成果は、重症乳児への治療戦略に加え、胎盤を介して新生児へ抗体を移行させる母体ワクチンの普及や接種体制の整備が、重症百日咳の予防に重要であることを示唆している。

耐性菌流行下、生後2か月未満の重症百日咳患者を、ST合剤で治療~乳児を守る”母体ワクチン”の必要性を示唆~
【グラム染色された百日咳菌(本研究の症例より採取された気管内吸引物)】

<関連情報>

マクロライド耐性百日咳菌の流行 中に、生後2ヶ月未満の乳児における重症百日咳に対するトリメトプリム・スルファメトキサゾール治療:症例シリーズ Trimethoprim-Sulfamethoxazole Treatment for Severe Pertussis in Infants Younger Than 2 months During a Macrolide-Resistant Bordetella pertussis Outbreak: A Case Series

Tatsuki Ikuse,Toshihiro Matsui,Masaki Yamada,Kensuke Shoji,Ito Kato,Hiroki Kato,Shotaro Matsumoto,Rinshu Shimabukuro,Nao Otsuka,Chikara Ogimi
Journal of the Pediatric Infectious Diseases Society  Published:25 June 2026
DOI:https://doi.org/10.1093/jpids/piag046

Summary

Since 2023, macrolide-resistant Bordetella pertussis (MRBP) has surged worldwide. Six infants aged <2 months completed a 14-day course of trimethoprim-sulfamethoxazole for suspected MRBP infection without significant adverse events. Trimethoprim-sulfamethoxazole may be a tolerable option in infants in MRBP-dominant settings.

医療・健康
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