流⽔産卵性ナガレヒキガエルと⽌⽔産卵性アズマヒキガエルの個体発⽣比較

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渓流適応したヒキガエルの発生の実態に迫る

2022-03-01 京都大学

田中花音 総合人間学部生、西川完途 人間・環境学研究科准教授(兼・地球環境学堂准教授)の研究グループは、山間渓流中に産卵する日本固有種ナガレヒキガエル(Bufo torrenticola)の詳細な発生段階図表を作成しました。世界で標準とされているカエルの発生段階図表を参照して作成することで他のカエルと比較しやすい形にしました。さらに、止水中に産卵する近縁種のアズマヒキガエル(Bufo japonicus formosus)の発生との比較や、止水環境で飼育したナガレヒキガエルの発生との比較を通して、ナガレヒキガエルの渓流適応の実態解明を目指しました。

研究の結果、ナガレヒキガエルの渓流に適応した大きな口器のサイズは遺伝的に決まっていること、また、尾を動かす筋肉の発達程度は遺伝的な支配だけでなく環境的な影響も受けていることを示しました。

ナガレヒキガエルやアズマヒキガエルが含まれるアジアのヒキガエル属は流水産卵性と止水産卵性の両方の種を含みますが、祖先は流水産卵性だったのか止水産卵性だったのかも判明しておらず、それらの産卵生態がどのような過程を経て進化してきたのかも明らかになっていません。本研究の成果を踏まえて、他の流水産卵性のヒキガエルの発生を調べることでアジアのヒキガエル属の産卵生態の進化の実態の解明につながる可能性が示唆されます。

本研究成果は、2022年2月24日に、国際学術誌「Current Herpetology」に掲載されました。

本研究のイメージ図
図:本研究のイメージ図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:西川完途

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生物化学工学
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