2022-05-10 京都大学
中島俊樹 医学研究科医員(研究当時)、吉藤元 同講師、寺尾知可史 静岡県立総合病院部長、聖マリアンナ医科大学らの研究グループは、「再発性多発軟骨炎」に「バセドウ病」を合併する特徴的な臨床徴候を持つ患者が高頻度で存在することを発見しました。
本研究成果は、再発性多発軟骨炎患者における遺伝的リスク因子の解明や、バセドウ病合併ハイリスク患者の同定およびハイリスク患者の合併症管理に向けたスクリーニングシステムの構築に貢献すると期待できます。
今回、研究チームは、日本人集団からなる117名の再発性多発軟骨炎患者において、自己免疫性甲状腺疾患であるバセドウ病と橋本病の合併の有無を、臨床症状およびヒト白血球抗原(HLA)の多型による解析を行いました。その結果、再発性多発軟骨炎患者では、日本人一般人口と比較してバセドウ病の合併率が有意に高いことが分かりました。さらに、バセドウ病合併患者は、非合併患者に比べて鼻病変を呈する頻度が有意に高く、HLA-DPB1*02:02を高頻度に保持していることが分かりました。
本研究成果は、2022年5月10日に、科学雑誌「Orphanet Journal of Rare Diseases」のオンライン版に掲載されました。
図:再発性多発軟骨炎患者のうちHLA-DRB1*02:02保因者ではバセドウ病の合併頻度が高い
研究者情報
研究者名:吉藤 元