科学技術振興機構

生物工学一般

ダウン症モデルラットの作製に成功 ~ダウン症の脳病態のメカニズム解明に期待~

独自の染色体工学技術を用いて、ダウン症の発症に関わるヒト21番染色体をラットに導入することにより世界で初めてダウン症モデルラットの作製に成功し、これまでにモデルマウスでは観察されていなかった小脳小葉の分岐形成過程に障害があることを明らかにした。
有機化学・薬学

サルモネラ菌の休眠・薬剤耐性に関与するタンパク質の機能を解明

病原性細菌の一種であるサルモネラ菌(Salmonella Typhimurium)のパーシスター細胞の形成誘導に関与するTacTタンパク質が、特定のアミノアシルtRNA注1)をアセチル化修飾し、それによりタンパク質合成を阻害する分子機構を明らかにしました。
生物化学工学

骨格筋の分化に働く新たな染色体基盤構造体を解明

マウス(Mus musculus)の新規ヒストンH3mm18を含むヌクレオソーム構造をクライオ電子顕微鏡解析により世界で初めて解明しました。H3mm18が不安定で弛緩したヌクレオソームを形成すること、そしてH3mm18の発現が筋分化に重要な遺伝子の発現を制御することを明らかにしました。
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医療・健康

緊張するとパフォーマンスが低下するのはなぜ? ~聴覚と運動を統合する機能の異常を発見~

楽器演奏や外科手術などの卓越したスキルを持つエキスパートが、プレッシャーのかかる場面で、心理緊張やアガリに伴い、巧緻性が低下する仕組みは未解明だった。ピアノの音が鳴るタイミングを人為的に遅らせられるシステムを用いた実験により、心理緊張に伴う演奏時の聴覚と運動を統合する機能の異常を明らかにした。
医療・健康

感染やワクチンにおける免疫記憶に必須なB細胞シグナル因子を発見

感染症やワクチンで抗体をつくるB細胞が免疫を長期にわたって記憶するために必須の分子とそのメカニズムを解明しました。B細胞の抗体応答の抗原特異性や長期記憶を司る胚中心B細胞の形成において、細胞内シグナル分子である「TBK1」が必須であることをマラリア感染とワクチン免疫の動物モデルで証明しました。
医療・健康

発達障害の関連遺伝子の欠損で網膜・視覚機能が変化~発達障害において感覚の過敏や鈍麻が生じるメカニズムの解明に貢献~

自閉スペクトラム症や学習障害をはじめとした発達障害に関連する遺伝子の欠損により、網膜・視覚機能が異常を示すことを明らかにしました。
生物環境工学

「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
有機化学・薬学

消毒薬のウイルスに対する残留消毒効果の評価

手指衛生に使用される消毒薬の残留消毒効果(塗布して乾燥した後も残存する消毒効果)を正確かつ客観的に評価することに成功し、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどのウイルスが生存しにくい皮膚表面を創出する方法を構築しました。
生物化学工学

脳は記憶を力で刻む ~シナプスの力と圧感覚による新しい伝達様式の発見~

長期記憶が形成される際、大脳のシナプスにおいて樹状突起スパインが増大することが知られていたが、このスパインの動きが、筋肉収縮と同程度の力でシナプス前部を押すことにより、伝達物質放出を増強する効果(圧感覚)を持つことを見いだした。シナプスにおける情報伝達様式として、化学伝達と電気伝達の2種類の様式が知られてきた。今回、スパイン増大と圧感覚を介した力学的伝達という新しい第3の様式を発見した。
細胞遺伝子工学

細胞外で複製し進化する人工ゲノムDNAを開発 ~自律的に増殖し進化する人工細胞の構築に期待~

核酸やたんぱく質といった無生物材料のみを用いて、生物の特徴であるDNAからの遺伝子発現と持続的な複製による進化を細胞外で行うことに世界で初めて成功しました。
生物化学工学

胎児の神経を形作る仕組みは精密な温度センサー ~母体の体温維持が神経の成熟に重要であることを示唆~

精製したたんぱく質は熱に弱く、機能を失いやすいため、体温付近での性質を調べるのが一般に困難。赤外レーザーによる精密加熱技術を用いて体温付近での実験に成功したことで、神経細胞が力を出し、形を変えるときに働くたんぱく質に、温度センシング能力があることを発見。
細胞遺伝子工学

組織の細胞集団に潜む幹細胞のエピゲノム解析手法を開発 ~がん組織の精密プロファイリングに成功~

一辺3ミリ 厚さ10マイクロメートル程度の小さな組織切片に含まれる少数の細胞集団から、高感度かつ高精度なエピゲノム情報を抽出する技術を発表しました。「クロマチン挿入標識(ChIL)法」を基礎として、組織をターゲットとした解析法を開発しました。
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